{ "306000632_0": "(ネフィリム……禍々しいとしか思えないその姿。\\n 自律機動型の完全聖遺物)", "306000632_1": "(再びそれを前にして抱いたのは、怖い……という感情だった)", "306000632_2": "(怖くて、怖くて逃げ出したい。足が震えて、\\n 目を背けたくて、それでも視線を逸らせなくて)", "306000632_3": "(どうにか立っていられるという状態で、\\n わたしが思い浮かべるのは昔のこと)", "306000632_4": "(7年前、最初の実験を始める時はそんな風に思わなかった。\\n だって、その時はマリア姉さんが見ていてくれたから)", "306000632_5": "(マリア姉さんのため、みんなのためにわたしは立っていられた。\\n ……でも、今マリア姉さんは、わたしの傍にいない)", "306000632_6": "(ううん、それどころか、もしかしたら――)", "306000632_7": "(だけど……きてくれたッ!)", "306000632_8": "「セレナァァァ――――ッ!!」", "306000632_9": "「え……。マリア、姉、さん……ッ!?」", "306000632_10": "(わたしを止めてくれたッ! 助けてくれたッ!\\n マムは嘘なんてついていなかった……ッ!)", "306000632_11": "(大好きな姉さんの声。優しい声。心強い声。\\n わたしが間違えるはずなんてない)", "306000632_12": "(わたしはやっと……姉さんと再会できた――)" }