{ "105000432_0": "(くッ……正面きっての力比べ……、\\n こんな時――)", "105000432_1": "「わかるゼ? 今、イグナイトモジュールがあれば……って、\\n 考えてるんだろう?」", "105000432_2": "「決戦機能を失って、\\n 戦力ダウンしたと調べはついているんだゼッ!」", "105000432_3": "「だからって、負けるわけにはッ!」", "105000432_4": "「――ッ!?」", "105000432_5": "「せいッ!」", "105000432_6": "「――なッ……何ッ!? 今のは……」", "105000432_7": "「流石に虚をつかないと目くらまし程度かッ!\\n く……ッ!」", "105000432_8": "「エルザッ! ヴァネッサが戻るまでは無茶は禁物ッ!\\n アジトで落ち合うゼッ!」", "105000432_9": "「ガンスッ!\\n ここはひとまず撤退でありますッ!」", "105000432_10": "「――ッ!」", "105000432_11": "「――くッ!?」", "105000432_12": "「エルザッ!?」", "105000432_13": "「クリスちゃんッ!」", "105000432_14": "「全部乗せを――食らいやがれッ!」", "105000432_15": "「あ……ッ!?」", "105000432_16": "「回収したアタッシュケースの解析完了」", "105000432_17": "「結果をモニターに回します」", "105000432_18": "「まさかの……ケチャップ?」", "105000432_19": "「この季節にバーベキューパーティとは、\\n 敵もさる者ひっかく者デス」", "105000432_20": "「あれは、全血製剤。成分輸血が主流となった昨今、\\n あまりお目にかからなくなっている代物だ」", "105000432_21": "「それ以上に気になるのが、その種類です。Rhソイル式……。\\n 140万人に1人とされる稀血と判明しています」", "105000432_22": "「まさか、輸血を必要としているとでもいうの……?」", "105000432_23": "「被害者からの聞き取り終わりました」", "105000432_24": "「埠頭にて、彼女たちと黒ずくめの男2人を目撃し、\\n 麻薬の取引現場だと思ったようです」", "105000432_25": "「つまり……パヴァリア光明結社の残党を、\\n 支援している者がいるということか」", "105000432_26": "「考えられるのは、\\n これまで幾度となく干渉してきた米国政府……」", "105000432_27": "「先だっての反応兵器発射以来、冷え切った両国の関係を\\n 改善するために進められてきた、月遺跡の共同調査計画……」", "105000432_28": "「疑い始めたら、それすらも隠れ蓑に思えてきてしまうわね」", "105000432_29": "「米国、ロスアラモス研究所が、パヴァリア光明結社の残党と\\n 思しき敵性体に襲撃されたとの報せですッ!」", "105000432_30": "「なんだとッ!?」", "105000432_31": "「フフッ……」", "105000432_32": "「はあ……はあ……わたくしめの不始末であります。\\n あの時、死んでもケースを手放さなければ……」", "105000432_33": "「何言ってんだ。死んだら元も子も無いんだゼ?」", "105000432_34": "「ですが、血液を必要としているのは、\\n ミラアルクだって同じことであります……」", "105000432_35": "「戦わなければ、しばらく力ももつはずだ。\\n ヴァネッサが戻るまでにはなんとかしてみせるゼ」", "105000432_36": "「…………」", "105000432_37": "(ウチはどんな手を使ってでも……エルザとヴァネッサを……)" }