{ "104500211_0": "ノーブルレッド", "104500211_1": "「少し、休憩しましょうか?」", "104500211_2": "「それがいいゼ」", "104500211_3": "「ガンス」", "104500211_4": "「それにしても、\\n なんだかややこしいことになってきてるわね……」", "104500211_5": "「同感だゼ。局長と幹部が倒れた混乱を利用して、\\n 結社から上手く逃げられたまではよかったのに……」", "104500211_6": "「結局、わたくしめらは人間に戻るために、\\n 結社の持つ情報を必要としているであります」", "104500211_7": "「ええ。二度と関わりたくないと逃げ出したのに、\\n 自分たちから関わらなくちゃならないなんて……」", "104500211_8": "「それもこれも、あのジジイのせいだゼ」", "104500211_9": "「風鳴訃堂ね……。\\n まずは彼が何を狙っているのかを知らないと……」", "104500211_10": "「ああ、利用されるだけなんてのはごめんだゼ」", "104500211_11": "「これも全て、稀血を得るためであります。\\n ……いつの日か、人間に戻る時まで」", "104500211_12": "「140万人に1人の稀血、Rhソイル式の稀血なんて\\n 簡単に手に入れられるものじゃないしね……」", "104500211_13": "「でも、お姉ちゃんだってあんなクソジジイの思惑通りに\\n いつまでも踊るつもりなんてないわ」", "104500211_14": "「そいつを聞いて安心したゼ」", "104500211_15": "「今は雌伏の時であります」", "104500211_16": "「ええ、必ず3人で人間に戻りましょう。\\n わたしたちは『誇り高き真紅』なのだから」", "104500211_17": "「ああ」", "104500211_18": "「ガンス」", "104500211_19": "「……クク……」", "104500211_20": "「フフ……」", "104500211_21": "「……フフ、もう。どうして笑ってるのよ?」", "104500211_22": "「ヴァネッサも笑ってるゼ?」", "104500211_23": "「自由になれたのが嬉しいでありますよ。\\n 『誇り高き真紅』の名を聞くと実感が湧くであります」", "104500211_24": "「ウチらが決めた、ウチらだけの部隊名だもんな。\\n まだ慣れてないせいか、ちょっとくすぐったいゼ」", "104500211_25": "「そうね。でも、わたしたちがノーブルレッドである限り、\\n もう誰にも、わたしたちを害させない」", "104500211_26": "「そうであります。\\n わたくしめらはもう『卑しき錆色』ではないでありますから」", "104500211_27": "「ああ。ウチはウチらをそう呼んだ連中を許さないゼ。\\n 必ず、後悔させてやる」", "104500211_28": "「ええ。そのために利用できる者はなんでも利用しましょう。\\n ……お姉ちゃんはしたたかなんです」", "104500211_29": "「今はまだ仮初めの自由でありますが、2人となら\\n きっと本当の自由を手に入れられると信じてるであります」", "104500211_30": "「ウチもだ。ヴァネッサとエルザとなら、\\n きっと全部うまくいくって思えるゼ」", "104500211_31": "「わたしもよ」", "104500211_32": "「わたくしめらは、どこまでもついて行くであります」", "104500211_33": "「ウチら3人、ずっと一緒だゼ」", "104500211_34": "「……エルザちゃん、どうかした?」", "104500211_35": "「ぐるるるる……ッ! 敵でありますッ!」", "104500211_36": "「あら、追いつかれちゃったのね」", "104500211_37": "「最初からそのつもりだっただろ?\\n よく言うゼ」", "104500211_38": "「まあね。だって追いかけっこにも飽きてたでしょ?\\n ――そろそろ姿を見せたらどう?」", "104500211_39": "「……貴様ら、卑しき錆色の分際で――」", "104500211_40": "「くッ!? いきなり仕掛けてくるかッ!?」", "104500211_41": "「間違えないで。わたしたちは『誇り高き真紅』、\\n ……さっき研究所を襲撃した時にも名乗ったでしょう?」", "104500211_42": "「そのような部隊など結社には存在しないッ!」", "104500211_43": "「ええ、そうよ。\\n だってわたしたちは、もう結社の構成員じゃないもの」", "104500211_44": "「組織に飼われていた実験動物ふぜいが、吠えるなッ!」", "104500211_45": "「――ッ!?」", "104500211_46": "「奪ったデータを返すなら、\\n 少しは温情をかけてやろうとも思っていたが――」", "104500211_47": "「なんだこいつらッ!?」", "104500211_48": "「アルカ・ノイズではないでありますッ!」", "104500211_49": "「結社で、こんな怪物見たことないわ」", "104500211_50": "「フッ、我らの新たな下僕どもだッ!\\n 行け、奴らを食い殺せッ!」", "104500211_51": "「失敗作など、すべて処分してくれるッ!」", "104500211_52": "「――処分されるのはお前だゼ」", "104500211_53": "「なッ!? いつの間に――ッ!?」", "104500211_54": "「ぎゃああああ――ッ!?」", "104500211_55": "「ミラアルクちゃん、お疲れ様」", "104500211_56": "「こいつはウチらに言っちゃならないことを言った。\\n 自業自得だゼ」", "104500211_57": "「そうであります。\\n それより、次はアレをなんとかしないと……」", "104500211_58": "「ええ、得体のしれない相手よ。\\n 2人とも油断しないでね」", "104500211_59": "「ああ、わかってるゼッ!」" }