{ "102001221_0": "「楽しい楽しい買出しだって、\\n こうも荷物が多いと面倒臭い労働デスよッ!」", "102001221_1": "「仕方ないよ。過剰投与したLiNKERの副作用を\\n 抜き切るまでは、おさんどん担当だもの……」", "102001221_2": "「あ……」", "102001221_3": "「持ってあげるデス。\\n 調ってばなんだか調子が悪そうデスし……」", "102001221_4": "「ありがとう。でも平気だから……」", "102001221_5": "「むうう……じゃあ、少し休憩していくデスッ!」", "102001221_6": "「嫌な事もたくさんあるけれど、こんなに自由があるなんて……\\n 施設にいた頃には想像できなかったデスよ」", "102001221_7": "「うん……そうだね」", "102001221_8": "「フィーネの魂が宿る器として、\\n 施設に閉じ込められていたアタシたち……」", "102001221_9": "「アタシたちの代わりにフィーネの魂を\\n 背負うことになったマリア……」", "102001221_10": "「……」", "102001221_11": "「自分が、自分でなくなるなんて怖いことを、結果的に\\n マリアひとりに押し付けてしまったアタシたち……」", "102001221_12": "「はぁ……はぁ……」", "102001221_13": "「調ッ! ずっとそんな調子だったデスか?」", "102001221_14": "「大丈夫。ここで休んだからもう――」", "102001221_15": "「あ……ッ」", "102001221_16": "「――調ッ!」", "102001221_17": "「は……ッ!」", "102001221_18": "「あれ……?」", "102001221_19": "「な、なんデスかこの力……こんなの、まさか……」", "102001221_20": "「何が……どうなってるデスか……?」", "102001221_21": "「これまでのことで、よくわかった……\\n わたしの覚悟の甘さ、決意の軽さを……」", "102001221_22": "「その結末がもたらすものが、何なのかも……\\n だからねマム。わたしは――」", "102001221_23": "「その必要は、ありません」", "102001221_24": "「――え……?」", "102001221_25": "「あなたにこれ以上、\\n 新生フィーネを演じてもらう必要はありません……」", "102001221_26": "「――マムッ! 何を言うのッ!?」", "102001221_27": "「あなたは、マリア・カデンツァヴナ・イヴ……。フィーネの魂\\n など宿していない、ただの優しいマリアなのですから……」", "102001221_28": "「フィーネの魂は、どの器にも宿らなかった……。\\n ただそれだけのこと」", "102001221_29": "「ふ……」", "102001221_30": "「君たちの体調も回復したようですし、\\n ここらでひとつテストをしておきましょう」", "102001221_31": "「テストってなんのことデスッ! 調はまだ――」", "102001221_32": "「切ちゃん、大丈夫だから……」", "102001221_33": "「結構。それではシミュレータとの戦闘をお願いします。\\n その間に、LiNKER過剰投与の経過データを取れますので」", "102001221_34": "「なッ――自分でやっといて……」", "102001221_35": "「ん……やろう。自分たちの状態を知っておいて、\\n 損は無いだろうから……」", "102001221_36": "「う……調がそういうなら、やってやるのデス」", "102001221_37": "「派手にお願いしますよッ!\\n そのほうが、良いデータが取れますから……」" }