{ "404000831_0": "「相談……?」", "404000831_1": "「聞かせて頂戴」", "404000831_2": "「はい、まずは順を追って説明します」", "404000831_3": "「ユリウスさんから受け取った資料の一部の解読に成功し、\\n ミーナさんの設計図と思われる資料を発見しました」", "404000831_4": "「この短時間でそこまで……」", "404000831_5": "「それを基に、ミーナさんの容態を調べたのですが、どうやら\\n 自動人形の『核』、人間でいう心臓に損傷を受けていました」", "404000831_6": "「そんな……」", "404000831_7": "「これは人間でいえば間違いなく致命傷です。\\n やはり遠からず機能停止してしまうでしょう」", "404000831_8": "「そして、一度機能停止してしまえば、恐らく二度と\\n ミーナさんを目覚めさせることはできないと思います」", "404000831_9": "「なんとか助けられないの……?」", "404000831_10": "「……1つだけ、方法があります」", "404000831_11": "「本当かッ!?」", "404000831_12": "「はい。ですが、ボクの一存で決めていい方法ではないので、\\n みなさんに意見を聞こうと思いました」", "404000831_13": "「意見って……助かる方法があるなら、そんな悠長なことを\\n 言ってる場合じゃないだろッ!」", "404000831_14": "「そうデス、すぐに助けるデスよッ!」", "404000831_15": "「……それが、ミョルニルが再び失われるかもしれない\\n 方法だとしてもですか?」", "404000831_16": "「……どういうことだ。詳細を聞きたい」", "404000831_17": "「鍵はミョルニルなんです。ミーナさんはミョルニルを制御すべく\\n 生み出された自動人形――」", "404000831_18": "「つまりミョルニルとミーナさんはとても親和性が高く、\\n 同調しやすくなっているんです」", "404000831_19": "「これは装者と聖遺物のコンダクトより、\\n さらに強固な結びつきです」", "404000831_20": "「……もしかして、それって――」", "404000831_21": "「はい、ミーナさんを救う方法\\n それは――」", "404000831_22": "「ミーナさんとミョルニルの融合、これが唯一の可能性です」", "404000831_23": "「融合……」", "404000831_24": "「失われた核が機能停止する前に、ミョルニルを新たな核として\\n ミーナさんに埋め込みます――」", "404000831_25": "「ミョルニルが無事に核として動いてくれれば、\\n ミーナさんは助かります。ですが――」", "404000831_26": "「ミョルニルとの融合が失敗すれば、ミーナさんと共に\\n ミョルニルも失われます」", "404000831_27": "「成功しても、ミョルニルがミーナさんの核としてミーナさんの\\n 命と繋がるため、今までのように使えるかどうかは……」", "404000831_28": "「ボク個人としてはもちろん最優先で助けたいです。\\n しかし、これはボク1人で勝手に決めていいことでは……」", "404000831_29": "「……それは――」", "404000831_30": "(ミーナは大事だ。だが、ミョルニルを失うことは、\\n 世界蛇との戦いの敗北に直結しかねない……)", "404000831_31": "(ましてや、先ほどのような事態もある……)", "404000831_32": "「あの、ちょっといいかな?」", "404000831_33": "「はい」", "404000831_34": "「融合が上手くいったとして、響の時のような危険があったりは\\n しないの?」", "404000831_35": "「それについては大丈夫だと思います。\\n ミーナさんは響さんとは違い、生体ではありませんので」", "404000831_36": "「響さんのケースは、聖遺物が生体部分を侵食することで\\n 発生したものです」", "404000831_37": "「今回の場合は自動人形であるミーナさんとの融合ですので、\\n 生体への侵食のような事態はほぼ起きないと思われます」", "404000831_38": "「それなら――」", "404000831_39": "「うんッ! ミーナさんを助けようッ!」", "404000831_40": "「なッ!?」", "404000831_41": "「ミーナさんが助かるなら、それが一番だよッ!」", "404000831_42": "「わたしもそう思う。\\n わたしもミーナさんを助けたいッ!」", "404000831_43": "「同意見だ」", "404000831_44": "「ああ、その分、あたしらが頑張ればいいってだけだろ。\\n 比べるまでもないな」", "404000831_45": "「そういうことね」", "404000831_46": "「ミーナさんの方が断然大事デスッ!」", "404000831_47": "「うん、助かってほしい」", "404000831_48": "「そうですよね」", "404000831_49": "「ああ、優先順位は明らかだな」", "404000831_50": "「お前たち……」", "404000831_51": "「俺たちは、確かに世界蛇の降臨という未曽有の危機を\\n 迎えている」", "404000831_52": "「しかし、誰かの命に代えられるものなど、何もない。\\n ましてや、ミーナくんは我々の仲間でもある」", "404000831_53": "「これは、我々S.O.N.G.とそれに関わる者の総意だ。\\n ミョルニルが失われても、俺たちは勝つッ!」", "404000831_54": "「……すまない。なら、俺からも頼む。\\n 俺たちの大切なリーダーを、ミーナを救ってくれ……」", "404000831_55": "「ミョルニルが失われても構わない。\\n ミーナに代わるものなど無いんだ……」", "404000831_56": "「……はい、わかりました。\\n ボクにできる、全力を尽くしますッ!」" }