{ "402001331_0": "「やあ――ッ!」", "402001331_1": "「どうしてッ!?」", "402001331_2": "「どうしてって、\\n それはわたしがマリア姉さんに勝ちたいからだよ……」", "402001331_3": "「な、何を言ってるのッ!?」", "402001331_4": "「これならッ!」", "402001331_5": "「く――ッ!\\n 一体どうしたというの、セレナ……ッ!」", "402001331_6": "「マリア姉さん、ここでわたしが殺してあげる」", "402001331_7": "「……ッ!」", "402001331_8": "「――そう、そういうことなの。\\n やっとわかったわ」", "402001331_9": "「わかった? 何が?」", "402001331_10": "「セレナがそんなことを言うはずがないッ!\\n あなたは偽物よッ!」", "402001331_11": "「本当に?\\n 人間なんて、本心では何を考えているか――」", "402001331_12": "「わからないんだよッ!」", "402001331_13": "「わかるわッ! あなたは偽物――ッ!」", "402001331_14": "「…………ふうん」", "402001331_15": "「互いの心を信じられるからこそ、絆は生まれるのよ。\\n ましてや、セレナはわたしのたった1人の妹」", "402001331_16": "「あの子は例え敵に対しても『殺す』なんて言葉は使わない。\\n 人を、生き物を慈しむ優しい子だからッ!」", "402001331_17": "「もう気づいちゃうなんて。\\n すごいね、マリア姉さん」", "402001331_18": "「偽物くらいでわたしをなんとかしようだなんて、\\n 甘いわね」", "402001331_19": "「まったく……舐められたものだわッ!」", "402001331_20": "「うく――ッ!」", "402001331_21": "「偽物だとわかればッ!」", "402001331_22": "「あう……ッ! 痛いよ、姉さん……ッ!」", "402001331_23": "「く――ッ!」", "402001331_24": "(――剣筋が鈍るッ!)", "402001331_25": "「手加減してくれるなんて、やっぱり姉さんは優しいな」", "402001331_26": "「この……ッ!\\n その声でそれ以上、喋るのをやめなさい……ッ!」", "402001331_27": "「フフ、優しいけれど……、\\n 甘すぎるよッ!」", "402001331_28": "「ぐう……ッ!」", "402001331_29": "「怖いよ、マリア姉さん。\\n 剣先をこっちに向けないで……」", "402001331_30": "「偽物がどの口で……ッ!」", "402001331_31": "「ね?\\n このまま……抵抗しないでッ!」", "402001331_32": "「ぐ――ッ!」", "402001331_33": "(頭では偽物だとわかっていても、できない――ッ!\\n セレナの姿を切るだなんて……ッ!)", "402001331_34": "「とんだ敵を用意してくれたものね……ッ!」" }