{ "328000232_0": "(くッ、手強いッ!)", "328000232_1": "(我々の世界の緒川さんと同等か、それ以上だッ!)", "328000232_2": "「はああ――ッ!」", "328000232_3": "「その程度の太刀筋、見切れないとでもッ?」", "328000232_4": "「やはりこの程度では躱される、か――」", "328000232_5": "「だが、こちらは幸い何度も剣を交えたばかりッ!」", "328000232_6": "「あなたの動きもある程度は把握できているッ!」", "328000232_7": "「そこだあ――ッ!!」", "328000232_8": "「なッ!? く――ッ!」", "328000232_9": "(影縫いを破った上、僕の戦い方を知っているかのような動き――\\n どういうことなんだ?)", "328000232_10": "「はあッ!」", "328000232_11": "(体捌きもさることながら、この攻撃術も……、\\n どことなく僕らの里に近いものを感じる……)", "328000232_12": "「もしや、あなたは草薙の関係者ですか?」", "328000232_13": "「生憎、その様な名に聞き覚えはないッ!」", "328000232_14": "「はああ――ッ!!」", "328000232_15": "(真っすぐで豪胆な剣閃、確かに忍びの太刀筋ではない。\\n それに、先ほどの言葉にも嘘はなさそうだ)", "328000232_16": "(剣筋と同じ、真っすぐな眼差し。\\n 嘘のつけるようなタイプにも見えない)", "328000232_17": "(……しかしこの眼差し、どこか懐かしいような。\\n 昔、同じような眼差しを見たことが――)", "328000232_18": "(いや、余計なことを考えている場合ではないですね。\\n 今は己の目的を果たすことを優先しなければ)", "328000232_19": "(これ以上、無関係の者を傷つける必要もありません)", "328000232_20": "「はッ!!」", "328000232_21": "「なんのッ!」", "328000232_22": "「なッ、これはッ!?」", "328000232_23": "「煙幕かよッ!」", "328000232_24": "「視界が開けるまで注意しろッ!」", "328000232_25": "「ゲホゲホッ! くそッ、こんな部屋ん中で焚くなよッ!\\n こっちは動けないってのにッ!」", "328000232_26": "「追手は……来ないようですね」", "328000232_27": "「RN式天羽々斬……」", "328000232_28": "「望外の手札を手に入れることができました」", "328000232_29": "「……ッ!?」", "328000232_30": "「これは……起動したことによる反動、ですか……」", "328000232_31": "「素養ある者でなければ起動できないと言っていましたが、\\n まさかこれ程の負担がかかるとは……」", "328000232_32": "「長時間扱うのは難しそうですね……」", "328000232_33": "「ですが、これさえあれば、草薙に対抗することができるはず……」", "328000232_34": "「次はこの前のような不覚を取ることはありません」" }