{ "327000611_0": "水の中の激戦", "327000611_1": "「はあ、はあ……」", "327000611_2": "「くッ、一体何回戦えば気が済むんだ……」", "327000611_3": "「まだまだ、たったの10回戦。\\n ここからが本番だッ!」", "327000611_4": "「ルールはちゃんと決めなきゃダメだよッ!\\n 倒しても倒しても、出てくるなんて卑怯だと思わないのッ!?」", "327000611_5": "「まったくもってこれっぽっちも思わないッ!\\n なぜなら私がルールなのだからッ!」", "327000611_6": "「私と同じ見た目でその言いぐさは怒りを通り越して\\n 殺意が湧いてきたな……」", "327000611_7": "「サンジェルマンさん、まだ戦えますか?」", "327000611_8": "「ああ、私に気を使う必要はない」", "327000611_9": "(とは言うものの、流石にこれ以上は厳しい。\\n ファウストローブでもあれば話は違うんだが……)", "327000611_10": "「動きが止まってるぞッ!」", "327000611_11": "「しま――ッ!?」", "327000611_12": "「サンジェルマンさんッ!」", "327000611_13": "「――ッ!?」", "327000611_14": "「大丈夫ですか?」", "327000611_15": "「なぜ、私を庇ったッ!?」", "327000611_16": "「この状況で唯一の戦力は自分自身だということが\\n わかっていないのかッ!?」", "327000611_17": "「戦力がどうとか、関係ありません。\\n わたしが護りたかったから護ったんです」", "327000611_18": "「バカなことを……」", "327000611_19": "「フッ、無様だな。\\n 仲間の足を引っ張って、完全にお荷物になっている」", "327000611_20": "「……」", "327000611_21": "「まだ動けるか?」", "327000611_22": "「はいッ! わたしは大丈夫ですッ!」", "327000611_23": "「悔しいがアイツの言う通り、\\n このままでは、私は足を引っ張り続けてしまう」", "327000611_24": "「だから、ここから先は私を庇うのはやめてほしい。\\n 目の前の敵だけに集中しろ」", "327000611_25": "「でも、それじゃ……」", "327000611_26": "「私は防御に専念し、なんとか奴から勝機を見出す」", "327000611_27": "「なるほどッ! 戦いながら勝つ手段を探るんですね?」", "327000611_28": "「そういうことだ。だが、言ったように私は防御に転じるから、\\n 実質戦うのは任せることになってしまう」", "327000611_29": "「わたしは大丈夫ですッ!\\n サンジェルマンさんを信じてますからッ!」", "327000611_30": "「全く……」", "327000611_31": "「ならば行くぞッ! 立花響ッ!」", "327000611_32": "「はいッ!」", "327000611_33": "(あともうひと踏ん張りッ!\\n わたしに力を貸して、ガングニールッ!)" }