{ "303000322_0": "「なんとか倒せたみたいね」", "303000322_1": "「はい、……でも」", "303000322_2": "「一体どういうことだッ!?」", "303000322_3": "「うまくギアを変化できたのに……」", "303000322_4": "「全然弱っちかったデス……」", "303000322_5": "「武者ノイズとの戦闘データからは、受けるダメージや\\n 呪いの防御には、効果が出ているように見受けられました」", "303000322_6": "「であるなら、一概に失敗とは言い切れんか……」", "303000322_7": "「結果、戦えてねーんだから失敗だろ?」", "303000322_8": "「…………」", "303000322_9": "「何か言いたそうね?」", "303000322_10": "「……わたしが思うに、\\n 雪音たちのギアの変化は成功しているように思える」", "303000322_11": "「だけど……あの武者ノイズには全く効果がありませんでした」", "303000322_12": "「ひとつ聞くが、先ほどの戦い、\\n あの武者ノイズに追い込まれたとき、なにをしようとした?」", "303000322_13": "「相手が強すぎて、一旦逃げようとしたデス……」", "303000322_14": "「防人は、人類守護の砦。\\n 決して敵に背を向けてはいけない」", "303000322_15": "「……まさか、それじゃあ」", "303000322_16": "「そうだ、確かに、ギアを変化させることには成功した。\\n だが、ただそれだけだ」", "303000322_17": "「見た目が変わっただけ。防人……いや、武士の心構えも、\\n ただ、見ただけで、全てを心に刻めたと勘違いをしている」", "303000322_18": "「あたしたちがやったのは……。\\n うわべだけの変化ってことかよ……」", "303000322_19": "「結果は明らかだ。\\n やはり、ここはわたしが……」", "303000322_20": "(今回はアタシたちでやるって決めたデス……。\\n なのに……結局、アタシたちだけじゃ……)", "303000322_21": "(また、マリアや翼さんにも迷惑をかけて……)", "303000322_22": "「お前たちに防人の心構えを、その身体に叩き込んでやろう」", "303000322_23": "「えッ!?」", "303000322_24": "「嫌とは言わせないぞ、\\n このままでは命を捨てに行くようなものだからな」", "303000322_25": "「あ、いや……てっきり、わたしが行くって言うのかと……」", "303000322_26": "「……月読、暁、そして雪音。\\n 今回は3人でやると決めたのだろう?」", "303000322_27": "「それすら、途中で投げ出すようでは、\\n いつまで経ってもあの武者ノイズには勝てないぞ」", "303000322_28": "「…………」", "303000322_29": "「教えてくださいッ! 翼さんの防人としての戦い方を」", "303000322_30": "「アタシからもお願いするデスッ!\\n 今回は、絶対にアタシたちで解決してみせるデスッ!」", "303000322_31": "「そう言うこった。頼む」", "303000322_32": "「ああ、時間がない。早速始めるぞッ!」", "303000322_33": "「だ、大丈夫かしら……」", "303000322_34": "「きっと大丈夫ですよッ!\\n 翼さんすごい自信だったじゃないですか」", "303000322_35": "「それが逆に心配なんだけど……」", "303000322_36": "「え? どういうことですか?」", "303000322_37": "「……まあ、\\n マリアくんの言わんとしていることもわかるが……」", "303000322_38": "(翼には悪いが、防人の話に興味を持つ同世代の子なんて\\n まずいないだろう。それが今回思う存分語れる)", "303000322_39": "(張り切るなと言うのは無理な気もするが……)", "303000322_40": "「それにしても翼さん、すごい良い笑顔でしたねッ!\\n あれなら何も心配いりませんよッ!」", "303000322_41": "「はあー……」" }