{ "304001322_0": "「待っててくれたんだ。響」", "304001322_1": "「別に、そういうわけじゃ……」", "304001322_2": "「場合によっては、わたしも戦わないといけないかもって……。\\n だから、念のため残ってただけ」", "304001322_3": "「そっか。心配してくれたんだね。ありがとう」", "304001322_4": "「勝手な解釈しないで。\\n わたしはただ、ノイズが許せないだけで……」", "304001322_5": "「それでもいいの。\\n それじゃ、途中まで一緒に帰ろうか」", "304001322_6": "「一緒に? なんで」", "304001322_7": "「だって、デートの途中だったんだし」", "304001322_8": "「……好きにすれば」", "304001322_9": "「うん、好きにする」", "304001322_10": "「それじゃ、クリス、マリアさん。また後でね」", "304001322_11": "「おう。あたしらは二課に寄ってから帰る」", "304001322_12": "「気をつけてね」", "304001322_13": "「驚いたな。黙って乱入して黙って帰ってったあいつが、\\n 戦いもせず、わざわざ終わるまで待ってるだなんてよ……」", "304001322_14": "「メディカルチェックも素直に受けてくれたし。\\n あの子の心がやっと通じたのよ、きっと」", "304001322_15": "「なあ……あいつの中の負の感情がなくなれば、\\n あたしらの世界のあいつも、助かるんだよな……」", "304001322_16": "「ええ、そのはずよ。\\n ……あの様子なら、上手くいくかも知れないわね」", "304001322_17": "「ああ……そう願いたいよな」", "304001322_18": "「わたし、は……」", "304001322_19": "(あの子と繋いだ、手……さっきまでは温かかったのに……)", "304001322_20": "「今は、冷たい……寒い……」", "304001322_21": "「く――ッ!」", "304001322_22": "「違う。わたしを、助けてくれるわけじゃない……」", "304001322_23": "(わたしは、ただのついで。\\n あの温かさは、わたしのじゃない……)", "304001322_24": "「この手のぬくもりだって、もうすぐ消えちゃうのに……」", "304001322_25": "「こんなの……辛いだけだ……ッ!」" }