{ "376000322_0": "「どうだ? 獣の怪物は追い払えたか?」", "376000322_1": "「いいえ。仲間を呼んだのか\\n むしろ、さっきより数が増えたみたいです」", "376000322_2": "「……やむを得ないな。\\n しばらくは、このまま物陰に隠れながら移動しよう」", "376000322_3": "「君は、大丈夫か?」", "376000322_4": "「ハァ、ハァ……へ、平気です、これくらい……。\\n き、鍛えてますから……」", "376000322_5": "「って、もしかしてあなたは――」", "376000322_6": "「ツヴァイウィングの風鳴翼さんッ!?\\n まさかあなたも、歌の戦士だったなんて……ッ!?」", "376000322_7": "「シ、シーッ!\\n 大きい声出したら、気づかれちゃうよッ!」", "376000322_8": "「す、すみません。\\n 取り乱してしまいました」", "376000322_9": "「驚かせてしまったのならすまない。\\n だが、今しばらくは、静かに頼めるだろうか?」", "376000322_10": "「はい……」", "376000322_11": "「ここはやっぱり、どこかの並行世界で間違いないと思う。\\n こんなに怪物だらけの廃墟、わたしたちの世界じゃ考えにくい」", "376000322_12": "「きっと、初めて来る並行世界だね……。\\n 街があるのに、誰も住んでいないのかな?」", "376000322_13": "「とにかく、奴らに見つからない安全な場所を探すとしよう。\\n 一度、落ち着いた場所で状況を整理しなければ」", "376000322_14": "「なにより、今ここには民間人もいる。\\n 彼女の安全を最優先としなければな」", "376000322_15": "「――ッ!」", "376000322_16": "「皆さんに迷惑はかけられませんッ!\\n いざとなれば、あたしも戦って……」", "376000322_17": "「そんな無茶だよ。\\n いくら鍛えているからって生身で、あれと戦うなんてッ!」", "376000322_18": "「グアウッ!」", "376000322_19": "「――ッ!\\n 気づかれたかッ!」", "376000322_20": "「明日香ちゃんの明日を奪わせやしない!\\n だああああああッ!」", "376000322_21": "「今の言葉は……」", "376000322_22": "「今のうちですッ!\\n 逃げましょうッ!」" }