{ "389000812_0": "「おおお……おおおおッ!\\n 私の……私の、完全なるチカラたちが……ッ!」", "389000812_1": "「ゲオルク……貴様が真に『完全』であったなら、\\n わたしたちは、疾うに敗北していただろう」", "389000812_2": "「……ッ!?」", "389000812_3": "「あなただって、本当はもうわかってるはず……\\n 完全なものなんて、この世にはないって」", "389000812_4": "「だからこそ……そんなに、なってまで……\\n 違う?」", "389000812_5": "「もう、やめるデスよ。\\n これ以上戦っても、哀しくなるだけデス」", "389000812_6": "「…………」", "389000812_7": "「私はただ、識りたかったのだ……」", "389000812_8": "「そして、知らしめたかった……唯一の『完全』……\\n 指針すらあれば、ヒトは迷わず征けるのだと……」", "389000812_9": "「その心の渇望に、悪魔が囁きかけたのだ。\\n 『メフィストフェレスの薬』という、力そのものが……」", "389000812_10": "「だが、悪魔が――過ぎた力が人間に与えるものは、\\n いつの世も破滅だけだ」", "389000812_11": "「……どうか、投降を。\\n そして、聖遺物との契約を解除していただきたい」", "389000812_12": "「ならば……ならば私の人生とはなんだったのだ?\\n 不全の絶望に溺れただけの……虚しく、哀しい……」", "389000812_13": "「ゲオルク……さん……」", "389000812_14": "「…………厭だ」", "389000812_15": "「そんなことは許されないッ!!」", "389000812_16": "「ゲオルクッ!?」", "389000812_17": "「わた、私は、美しき完全を追い求めたッ! 今もッ!!\\n 幾度も、全てを失いながら、それでもだッ!」", "389000812_18": "「これが、悪魔の甘言に惑わされただけの結末……ッ!?\\n そんなはずはないッ! そんなことが、あってなるものかッ!」", "389000812_19": "「め……『メフィストフェレスの薬』よ……ッ!\\n 今一度、私にッ! 完全なるチカラを寄越せェエッ!」", "389000812_20": "「……ッ!?", "389000812_21": " よ、よせ……ッ!」", "389000812_22": "「もはや聖遺物でも、悪魔でも構うものかッ!\\n この私に……『完全』を与えよッ! この絶望を覆い尽くせッ!」", "389000812_23": "「それが叶うならば……ッ!\\n この不全なる魂など、いくらでも喰らわせてやるッ!」", "389000812_24": "「凄まじい圧となって吹き付けてくるこれは、\\n 聖遺物の力なのかッ!? 伏せろ、月読ッ、暁ッ!!」", "389000812_25": "「ふヒ……ヒヒヒヒヒヒッ!\\n あーっひゃっひゃっヒャっひゃッ!」" }