{ "385000441_0": "「トーマス・エジソン……?\\n それって、あのエジソンか?」", "385000441_1": "「白熱電球、蓄音機、映写機……他にも様々な発明を世に残した、\\n 19世紀を代表する発明家」", "385000441_2": "「ですが、エジソンはもうだいぶ前に亡くなっているはず……」", "385000441_3": "「騙りだと疑っているのか?\\n フン、凡人の想像力など、所詮その程度であろうな」", "385000441_4": "「この私にかかれば、人の寿命を克服するなど容易い」", "385000441_5": "「科学技術で寿命を克服したってことか?\\n まるでニコラ・テスラだな」", "385000441_6": "「……貴様、今なんと言った?」", "385000441_7": "「え……?\\n 何って――」", "385000441_8": "「よりにもよってこの私を……ッ、\\n あの男の二番煎じと侮るかッ!」", "385000441_9": "「な……ッ!?\\n なんだ、この力……ッ!?」", "385000441_10": "「あの機械の腕に武器が組み込まれている……?\\n ううん、あのサイズの機械で出せるエネルギーじゃないッ!」", "385000441_11": "「貴様らの世界にも私と同じ存在はいるようだが、\\n 同列に捉えてくれるなよ」", "385000441_12": "「私が修めたのは科学だけではない。人間の限界を超えるため、\\n さらなる叡智の深淵に触れ、己がものとした」", "385000441_13": "「まさか……異端技術をッ!?」", "385000441_14": "「左様。この身には聖遺物『ケラウノス』を組み込んでいる。\\n これにより、私の不死は完成した」", "385000441_15": "「組み込んで……ッ!? 人為的に生体と聖遺物との融合を\\n 果たしたということですか……ッ!?」", "385000441_16": "「フン、ようやく私の偉大さを理解したか」", "385000441_17": "「異端技術と科学を融合させ、この身に宿した私こそが、\\n 唯一にして真の天才なのだッ!」", "385000441_18": "「テスラが作ったレーベンガーとてそうだ。\\n 確かにあれはよくできているが、兵器としては不完全だった」", "385000441_19": "「それを私が、異端技術を組み込むことで兵器として\\n 完成させてやったのだ」", "385000441_20": "「分かるか?\\n 私の技術は今や、テスラをも超えたのだッ!」", "385000441_21": "「だが、まだ足りない……。\\n テスラが目指し、ついに成し得なかったこと、すなわち――」", "385000441_22": "「世界蛇を再誕させ、並行世界を滅ぼすッ!\\n それが何よりも、私の勝利を明確に証明するのだッ!」", "385000441_23": "「…………ッ!」", "385000441_24": "「世界を滅ぼすことが、テスラを超えた証明だって?\\n いったいどういう理屈だ、そりゃ?」", "385000441_25": "「知れたこと。並行世界の滅亡は、テスラにも成し得なかった。\\n これを完遂し、私は私の勝利を証明する」", "385000441_26": "「貴様らには想像もできまい。\\n すべての並行世界を滅ぼし、この世の果てに立つ……」", "385000441_27": "「それは、真の天才にだけ見ることが許された光景なのだ」", "385000441_28": "「これを成し終えた後は、滅びた世界の残骸を眺めながら、\\n 祝杯をあげるとしよう」", "385000441_29": "「ふざけたことを……ッ!\\n そんなこと、絶対にさせるもんかッ!」", "385000441_30": "「フン……所詮は武器を振るしか能の無い凡俗よな。\\n もとより、その意義を理解されようなどとは思っておらんよ」", "385000441_31": "「そこの娘。少しは科学を嗜んでいるようだが、\\n 貴様なら少しは理解できるか?」", "385000441_32": "「冗談はやめて。\\n そんな寂しい世界に、切ちゃんの笑顔はない」", "385000441_33": "「私に科学を教えてくれたダメ助手なら、こう言うでしょうね。\\n ――そんな世界には愛がない、って」", "385000441_34": "「憎しみと劣等感だけで科学をもてあそぶあんたに比べたら、\\n ダメ助手の方が何億倍もマシ」", "385000441_35": "「……愚かな」", "385000441_36": "「貴様らのような愚物が我が宿願を邪魔しようなど……、", "385000441_37": " 身の程を知れぇッ!」", "385000441_38": "「……ッ!\\n みなさん、避けて――ッ!」", "385000441_39": "「きゃぁあああああああああ……ッ!」", "385000441_40": "「くそ、避けきれなかった……ッ。\\n さっきのダメージが抜けてない……ッ!」", "385000441_41": "「それに、この場所だと、\\n あの攻撃範囲には分が悪い……ッ!」", "385000441_42": "(いけない……ッ、\\n このままだと、3人ともやられてしまう……ッ!)", "385000441_43": "(これは、深追いしたわたしのミス……。", "385000441_44": " なら、せめて2人だけは逃がさなきゃ――ッ!)", "385000441_45": "「なぶり殺しのような下品な真似は趣味ではない。\\n 次の一撃で、貴様ら全員まとめて塵に――」", "385000441_46": "「――させないッ!」", "385000441_47": "「な……ッ!?\\n 仲間のために身を挺すつもりかッ!」", "385000441_48": "「2人とも、ここは逃げてッ!」", "385000441_49": "「馬鹿ッ、無茶はよせ、セレナッ!」", "385000441_50": "「ダメ――ッ!」", "385000441_51": "「ならば望み通り、砕け散るがいいッ!」", "385000441_52": "「セレナッ!」", "385000441_53": "「――ッ!!」", "385000441_54": "「ふざけんなッ!\\n 自分だけ犠牲になるなんて、オレは認めないぞッ!」", "385000441_55": "「ダメッ! 遺跡の崩落に巻き込まれるッ!\\n 今は退くしかないッ!」", "385000441_56": "「くそ……ッ! なんで、なんでだよッ!\\n オレたちはチームだろうがッ! セレナぁぁーッ!」", "385000441_57": "「……風鳴翼と月読調は逃げおおせましたか」", "385000441_58": "「しかし、遺跡は崩落してしまいましたね。\\n ……やれやれ」", "385000441_59": "「あれでは、セレナ・カデンツァヴナ・イヴの死体は\\n 確認できませんね」", "385000441_60": "「フン、あれで生きていられるはずもなかろう。\\n それに聖遺物は手に入れたのだ。問題あるまい」", "385000441_61": "「しかし、シンフォギア装者とやらも存外他愛ないものだ。\\n あのぶんでは、残りの連中も障害にはならんだろう」", "385000441_62": "「それはいささか侮りすぎですね。\\n 現に、一度は装者に計画を挫かれています」", "385000441_63": "「弱気だな、ミスター・イシヤ。\\n いずれにしろ、必要なものはすべて我らの手にある」", "385000441_64": "「もう1つの遺跡にも聖遺物はあったようだが、\\n これだけでも十分事足りる」", "385000441_65": "「そして世界蛇を再誕させれば、装者などもはや関係ない……。\\n そうだろう?」", "385000441_66": "「……ええ、そうですね。\\n 急ぐとしましょう、我々の悲願のために」", "385000441_67": "「よかろう。あとは私に任せたまえ。\\n 叶えるとしよう、我らの悲願を……な」" }