{ "385000211_0": "艦に集いし者たち", "385000211_1": "「知り得た情報って、どうしてこう人の心を\\n かき乱していくのかしら――ッ!」", "385000211_2": "「姉さん……」", "385000211_3": "「……分かってる。\\n 取り乱してごめんなさい」", "385000211_4": "「ウロボロスが盗み出したのは、\\n 世界蛇復活の鍵となる聖遺物……」", "385000211_5": "「世界蛇が復活してしまったら、すべての並行世界が、\\n また滅びの危機を迎えることになる……ッ!」", "385000211_6": "「この前の戦いでは、わたしたちは世界蛇の影を相手にするので\\n 精一杯でした……それでも……ッ」", "385000211_7": "「ええ……世界蛇を復活させようっていうなら、\\n その前に奴らの計画を叩き潰すまでよッ!」", "385000211_8": "「その通りだ。聖遺物は奴らの手に渡ったが、\\n いまだに世界蛇は顕現していない」", "385000211_9": "「これはつまり、世界蛇復活には\\n まだ足りないものがあるということだ」", "385000211_10": "「世界蛇を顕現させるのに必要な別の聖遺物か、\\n あるいは何か手順を踏む必要があるのか……」", "385000211_11": "「とはいえ、猶予がどれくらいあるかも分からない以上、\\n 安心してもいられないわ」", "385000211_12": "「そういうことだ。すぐにでも、奴らの足取りを追わなければ。", "385000211_13": " ……くッ!」", "385000211_14": "「ダ、ダメですよッ! 命に別状はないとはいえ、\\n ユリウスさんは他の人より重症なくらいなんですからッ!」", "385000211_15": "「止めないでくれ……スクルドにとって、\\n ウロボロスの陰謀を打ち砕くことは最優先目標だ」", "385000211_16": "「今ここで動けなくて、\\n なんのためのスクルドだ……ッ!」", "385000211_17": "「冷静になりなさい。\\n スクルドは今、戦える状態にあるかしら?」", "385000211_18": "「あなた以外にも、多くのメンバーがうちの隊員から\\n 治療を受けているでしょう」", "385000211_19": "「そんな状況でウロボロスを追っても、\\n 返り討ちに遭うだけよ」", "385000211_20": "「……今、他の並行世界に散らばっている仲間を\\n 集めているところだ」", "385000211_21": "「その招集もすぐにはできないのでしょう?\\n だったらわたしたちに任せて」", "385000211_22": "「それは……ッ!」", "385000211_23": "「あなたの気持ちはよく分かる。\\n でも、因縁があるのはこっちも同じよ」", "385000211_24": "「何……?」", "385000211_25": "「姉さん……」", "385000211_26": "「お姉、ちゃん……」", "385000211_27": "「そんな、セレナッ!」", "385000211_28": "「……」", "385000211_29": "「セレナに近づかないでッ!\\n わたしが……わたしがセレナを護ってみせるッ!」", "385000211_30": "「ほう。\\n では、あなたにこの呪いを受けてもらいましょうか」", "385000211_31": "(姉さんは、わたしを護って呪いを受けた……\\n そしてあの時から、姉さんの時間は止まったまま……)", "385000211_32": "(受け入れたように見えても、\\n 元に戻りたいと思っているはず……)", "385000211_33": "(わたしを助けてくれた姉さんに報いるためにも、\\n 姉さんにかけられた呪いは、必ずわたしが解いてみせる……ッ!)", "385000211_34": "「姉さん……今度こそ、決着をつけよう」", "385000211_35": "「――ええ。\\n わたしたちが、前へ進むためにも」", "385000211_36": "「そしてこれ以上、わたしたちのような目に遭う人を\\n 出さないためにも――ッ!」", "385000211_37": "「……どうやら、君たちにも強い因縁があるらしいな」", "385000211_38": "「……分かった。\\n ウロボロスの追跡は君たちに任せよう」", "385000211_39": "「だが、スクルドの全力をもって、\\n 君たちをバックアップさせてもらう」", "385000211_40": "「ええ、よろしくお願いするわ。\\n APPLEとスクルド、同盟の成立ね」", "385000211_41": "「それじゃあ、さっそくこれからの方針を話し合って――」", "385000211_42": "「警報ッ!?」", "385000211_43": "「いったい何事よッ!」", "385000211_44": "「まさか……ウロボロスッ!?」", "385000211_45": "「だとしたら、返り討ちに――」", "385000211_46": "「た、大変大変大変ッ、大変っスよー……ッ!」", "385000211_47": "「ナツミさん?」", "385000211_48": "「ねぇ、このパターンって、まさか……」", "385000211_49": "「ちょっとッ!\\n なんであれが艦内にいるのよッ!?」", "385000211_50": "「解析のために鹵獲した改造レーベンガーが、\\n 再起動して襲いかかって来たっスよーッ!」", "385000211_51": "「まったく……ッ!\\n あんたはどうしてそうなのよッ!」", "385000211_52": "「どうやら、壊れ切っていないレーベンガーが\\n 混ざっていたみたいですね……ッ!」", "385000211_53": "「ユリウスさん、ナツミさん、離れていてくださいッ!\\n わたしと姉さんで対処しますッ!」", "385000211_54": "「あ、ああ、分かった」", "385000211_55": "「行くわよ、セレナッ!」", "385000211_56": "「はい、姉さんッ!」" }