{ "384000212_0": "「くッ、なんとか持ちこたえられているけど……」", "384000212_1": "「このままじゃジリ貧デスッ!\\n 悔しいデスけど、退却を――」", "384000212_2": "「――そこまでです。\\n 攻撃をやめさせなさい」", "384000212_3": "「ネフィリム、攻撃停止ッ!」", "384000212_4": "「ネフィリムが止まったデスッ!」", "384000212_5": "「マム……いいえ、ナスターシャ所長。\\n わたしたちの話を信じてくれたのかしら?」", "384000212_6": "「信じがたいことには変わりありませんが、\\n 先ほどとは少々状況が変わっています」", "384000212_7": "「どういうこと……?」", "384000212_8": "「今の戦闘中、あなたたちの\\n データを改めて取ることができました」", "384000212_9": "「アウフヴァッヘン波形は間違いなく、\\n 盗まれたシンフォギアと一致しています」", "384000212_10": "「しかしわずかに、聖遺物とは異なる何かに由来する\\n エネルギー波形が混ざっていることが分かりました」", "384000212_11": "「これは、F.I.S.から盗まれた\\n シンフォギアには無かった特徴です」", "384000212_12": "「聖遺物とは異なる何かデス……?」", "384000212_13": "「もしかして、リビルドで取り込まれた\\n ファウストローブの……ッ!」", "384000212_14": "「確かに、全く同じ出来事が無い限り、アマルガムは\\n わたしたちのシンフォギアだけが持つ特性のはずだわ」", "384000212_15": "「そしてたった今ですが、\\n 聖遺物に由来する未解析の重力場が街の外れに観測されました」", "384000212_16": "「さっきのマリアの話、\\n 完全に信じてないわけじゃなかったんデスね」", "384000212_17": "「信じる信じないではありません。\\n 可能性は全て検証する必要があります」", "384000212_18": "「……検証の結果は?」", "384000212_19": "「あなたたちの存在について、『並行世界から来た』と\\n 説明付ける以外に論理的な仮説は立てられませんでした」", "384000212_20": "「つまり、信じてもらえたんデスねッ!?」", "384000212_21": "「さすがマム」", "384000212_22": "「ただし、『並行世界から来た装者』が、\\n 私たちの敵となるか味方となるかはまた別の話です」", "384000212_23": "「なんデスとッ!?」", "384000212_24": "「改めて話を聞きましょう。\\n あなたたちは何を目的にこの世界を訪れたのですか?」", "384000212_25": "「カルマノイズ……。\\n なるほど、危険な存在のようですね」", "384000212_26": "「早く倒さないと大きな被害が出る」", "384000212_27": "「でも大丈夫デスッ! \\n カルマノイズのことはアタシたちも手伝えるデスッ!」", "384000212_28": "「目的は同じと分かったはずよ。\\n ここからは協力体制をとりましょう?」", "384000212_29": "「……いいえ、それには及びません」", "384000212_30": "「どういうこと?\\n まだわたしたちが危険な存在だと……?」", "384000212_31": "「そうではありません」", "384000212_32": "「カルマノイズの危険性は理解しました。\\n 情報提供には心から感謝します」", "384000212_33": "「ですがあくまでもこの世界の問題です。並行世界から来た\\n あなたたちの力を借りるべきではないと考えます」", "384000212_34": "「対処ができるの?\\n この世界にもシンフォギア装者がいるのかしら?」", "384000212_35": "「いいえ。シンフォギア・システムは存在していますが、\\n あなたたちのような適合者は未だ見つかっていません」", "384000212_36": "「もちろん、コンバーターユニットを盗んだ犯人も\\n シンフォギアを纏えるわけではありません」", "384000212_37": "「じゃあ、どうやってカルマノイズを倒すつもりなんデス?」", "384000212_38": "「あなたたちも見たでしょう。\\n ネフィリムたちです」", "384000212_39": "「我々はネフィリムを制御し運用することで、\\n ノイズを始めとした特異災害と戦っています」", "384000212_40": "「ここにいる1体1体、\\n 全部が完全聖遺物というわけではないのよね?」", "384000212_41": "「ネフィリムについてよく知っているようですね。\\n その通り。これらは母体から産み落とされた分体に過ぎません」", "384000212_42": "「その有用性は、\\n あなたたちが身をもって体験した通りです」", "384000212_43": "「今や世界の平和を維持しているのは、\\n 我々F.I.S.と言って差し支えないでしょう」", "384000212_44": "「本当にネフィリムを兵器として活用してるんだ……」", "384000212_45": "「でもネフィリムは食いしん坊デスッ!」", "384000212_46": "「分体をたくさん生み出すくらい育てるには、\\n たくさん聖遺物を食べさせないとじゃないデスかッ!?」", "384000212_47": "「――完全聖遺物『フィクス・ルミナレス』。\\n この名に聞き覚えは?」", "384000212_48": "「……知らない名前デスね?」", "384000212_49": "「植物型の聖遺物であるフィクス・ルミナレスは、\\n 無限に果実を生み出すことができるのです」", "384000212_50": "「ネフィリムが食べていた、光る木の実ッ!\\n あれを与えることでネフィリムを制御しているのねッ!」", "384000212_51": "「そういうことです。\\n 今や従順な人間の友ですよ」", "384000212_52": "「この世界を護ることが私の役目です。\\n イレギュラーの手を借りるべきではありません」", "384000212_53": "「…………」", "384000212_54": "「……でも、カルマノイズの強さは、\\n ノイズとは比べ物にならない」", "384000212_55": "「カルマノイズの存在はわたしたちの世界にも影響があるわ。\\n 少しでも早く倒すために、協力させてもらえないかしら?」", "384000212_56": "「そうデス、アタシたちは、\\n 何度もカルマノイズと戦っているベテランデスよッ!」", "384000212_57": "「…………」", "384000212_58": "「もう一度言いましょう」", "384000212_59": "「あなたたちはイレギュラーな存在なのです。\\n 直ちに元の世界へ帰ってください」", "384000212_60": "「ナスターシャ所長……」" }