{ "380000831_0": "「うーん、攻撃力の話だけど、現状のままではとても足りないわ。\\n 仮に『根茎』の妨害がないとしてもね」", "380000831_1": "「だろうな。オレたちの攻撃を1点に集中させても、\\n ビクともしない」", "380000831_2": "「つまり、必要なことは明確だ。\\n より高温の『炎』で攻撃することだ」", "380000831_3": "「そんなことができるのか?」", "380000831_4": "「ギアと違って、オレたちの使うファウストローブは、\\n 各々の扱う錬金術との親和性がある」", "380000831_5": "「それを火属性に絞り、引き上げれば、\\n 『炎』の質を上げる事は可能だ」", "380000831_6": "「ああ、今のファウストローブを火に特化したものに\\n 改造するだけなら、さほど時間もかからないだろう」", "380000831_7": "「ただ、ファウストローブの強化には媒介が必要、\\n その媒介になりえる素材次第で、効果は大きく変わる」", "380000831_8": "「今回のように火に特化させたいなら、火のエレメントを\\n 宿す媒介が必要になる」", "380000831_9": "「それは、どういったものなのかしら?」", "380000831_10": "「そうだな……。それこそ火山の火口近くの千年物の鉱石や、\\n 火蜥蜴などの変質した生物の素材になるだろうな」", "380000831_11": "「普通に手に入るような素材では、\\n 大した効果にはならないからな」", "380000831_12": "「なるほどね……。それなら役に立てるかもしれないわ」", "380000831_13": "「なんだと? 心当たりがあるのか?」", "380000831_14": "「ちょうど研究用に集めてた素材があるのよ。\\n ブリーシンガメンの強化や調整に使えないかって」", "380000831_15": "「ギアに組み込むことも視野に入れてたから、どれも半端な\\n 素材じゃないし、多分条件に合致すると思うわ」", "380000831_16": "「それを提供してもらえるのか?」", "380000831_17": "「ええ。ザックームのサンプルのお返しよ。\\n 構わないでしょう、弦十郎くん?」", "380000831_18": "「ああ。今はザックーム対処のため、できることをすべきだろう。\\n もちろん構わない」", "380000831_19": "「だそうよ。\\n 私の研究室にあるから、あとで案内するわね」", "380000831_20": "「ああ、感謝する」", "380000831_21": "「了子さん、元はあたしのブリーシンガメンの強化用なんだよな?\\n それなら、ギアの方の強化もできないのか?」", "380000831_22": "「そっちはちょっと無理ね。\\n ギアの改良は一朝一夕ではできないの」", "380000831_23": "「特にデュオレリック状態で扱うギアは、\\n かなりピーキーな状態にあるから……流石に時間が足りないわ」", "380000831_24": "「できることと言ったら、あのガスへの耐性を上げるくらい。\\n それならサンプルから解析できたから、いけるわ」", "380000831_25": "「そっか……。分かった。\\n それだけでも頼むよ」", "380000831_26": "「ええ、任されたわ」" }