{
"377001011_0": "宇宙一の未来へ",
"377001011_1": "「えー、それでは。\\n SSFは、ファンの方に大きな被害もなく無事終了」",
"377001011_2": "「皆さん、お疲れ様ということで。乾杯ッ!」",
"377001011_3": "「いやあ、本来もっと盛大に行いたかったのですが……。\\n 僕も緒川くんも無職になったものでね。予算が厳しいのですよ」",
"377001011_4": "「なによそれッ!! あたし聞いてないわよッ!?」",
"377001011_5": "「初公開ですからね。これを待っていたもので」",
"377001011_6": "「携帯端末に映っているのは……ニュースですか?\\n 『大手企業オメガタクトに捜査のメス』……ッ!?」",
"377001011_7": "「マリアさんには説明しましたが、\\n オメガタクトは闇の深い企業でしてね」",
"377001011_8": "「それを洗いざらい司法にぶちまけたのですよ」",
"377001011_9": "「何の説明もない聖遺物の起動実験、それに聖遺物の売買。\\n わたしたちの世界なら極刑でもおかしくないわ」",
"377001011_10": "「まあ、こちらではどれほどの罪になるか分かりませんが……。\\n 少なくとも、関係部署は閉鎖の上、人員は解雇でしょう」 ",
"377001011_11": "「その程度しかダメージを与えられなかったのは、\\n 僕たちが刺し違いきれなかったからですがね……」",
"377001011_12": "「そんなの、英雄でもそうそうできることじゃないだろ。\\n できることで責任取ってくしかないって」",
"377001011_13": "「まあ、本業である芸能・音楽部門は健在です。\\n クリスティーナは、その力を存分に利用するといいのです」",
"377001011_14": "「SSFの映像、世界中でバズってますからね。\\n 世界もすっかり射程圏内ですよ」",
"377001011_15": "「……イヤ。あたしも事務所辞めるわ。\\n あなたたちがいないなら、意味ないから」",
"377001011_16": "「なに言ってるんですかッ!!」",
"377001011_17": "「……アイドル人生を左右することですよ?\\n もっと考えた方が――」",
"377001011_18": "「2人のおかげでSSFに出られて、歌を届けられたのよ。\\n あなたたちはあたしにとって最高のスタッフなの」",
"377001011_19": "「それとも、あなたたちにとってあたしは\\n 最高のアイドルじゃないの?」",
"377001011_20": "「そんな訳ありませんッ!! かのアポロン神に認められた\\n 歌声を持つものなど君1人ッ! 最高のアイドルだとも」",
"377001011_21": "「里の復興なんてどうでもよくなる時があるくらいには、\\n クリスティーナさんに夢中です。でも僕たちは……」",
"377001011_22": "「ならいいじゃない。歌で世界を明るくして償うのよッ!\\n 3人で事務所を作って、世界に出るわよッ!」",
"377001011_23": "「……この貪欲さは、見習うべきかもな」",
"377001011_24": "「そうかあ?\\n かなり過酷な道だと思うぞ……」",
"377001011_25": "「ウェルを圧倒というか、説き伏せることができるなんて……。\\n たいしたものね。本当に」",
"377001011_26": "「ということで、お疲れ会兼新事務所創立お祝い会よッ!\\n もう一度乾杯を……」",
"377001011_27": "『トゥルルルルル……!』",
"377001011_28": "「あら? 誰かしら……。わあッ! ママッ!!」",
"377001011_29": "「はああああああああああああああッ!?」",
"377001011_30": "「もしもし? わ、元気そうッ! パパは?\\n 元気なんだ、よかった。え? 動画見たのッ!?」",
"377001011_31": "「ママ……? パパ……?」",
"377001011_32": "「ああ、クリスティーナさんのご両親はギリシャでご健在ですよ?\\n 考古学に携わりながらトレジャーハントをしているそうです」",
"377001011_33": "「生きてるのかよッ!!」",
"377001011_34": "「見ててね、パパ、ママ。これからあたし、\\n 世界に羽ばたくからッ!!」",
"377001011_35": "「皆さんもお忙しいのに、\\n お見送りありがとうございます」",
"377001011_36": "「いえ、せっかくですから、\\n 皆さんの旅立ちを見届けたかったのです」",
"377001011_37": "「安心してくださいッ! 我々の事務所『イチイバル』は\\n クリスティーナがバズったおかげで順風満帆が確定ッ!」",
"377001011_38": "「オファーが殺到し、嬉しい悲鳴を上げている所ですッ!!」",
"377001011_39": "「お別れね」",
"377001011_40": "「まあな……。ま、アイドルが輝く瞬間を\\n バッチリ見れたからな。いい土産話ができた」",
"377001011_41": "「それは、こっちも同じよッ!」",
"377001011_42": "「もう、自分の歌を見失うんじゃないぞ?」",
"377001011_43": "「言われなくたってッ! あたしらしく、\\n もっともっと、すごい歌にしてやるんだからッ!」",
"377001011_44": "「そういや、次の目標は世界制覇とかか……?」",
"377001011_45": "「……ううん」",
"377001011_46": "「世界なんて、今のあたしには踏み台よ。\\n すぐに獲って、あなたみたいに並行世界に乗り出すわッ!」",
"377001011_47": "「は?」",
"377001011_48": "「全部の並行世界に、あたしの歌を届けてやるのよッ!\\n そしたら、こう名乗ってあげる」",
"377001011_49": "「あたしは全並行世界で一番可愛いアイドル、クリスティーナッ!\\n 全並行世界のみんな、あたしの可愛さにひれ伏しなさいッ!!」",
"377001011_50": "「……ってねッ!!」",
"377001011_51": "「本当にブレないよなお前……。",
"377001011_52": " まあ、応援してるよ。ファンとして」"
}