{ "366000711_0": "邪悪な小宇宙の主現るッ!", "366000711_1": "「邪悪な小宇宙の主の正体は、\\n もう1人のわたしだったのだ!」", "366000711_2": "「もう1人のわたしだと?\\n クックク……」", "366000711_3": "「オレたちは1つだったのだ。\\n 水臭いことを言ってくれるな……ククククク……」", "366000711_4": "「……この地で目覚めてから、枷が外れたような\\n 穏やかさを感じていたが……」", "366000711_5": "「ククク……言ってくれる。\\n オレからすれば、甘さが消えて清々しておるわッ!」", "366000711_6": "「サガさん、この人は……?」", "366000711_7": "「……この者は、わたし自身……。\\n わたしの邪なる心なのだ」", "366000711_8": "「ああッ!?\\n 分身でもしたってのかッ?」", "366000711_9": "「ククク……分身とは、実に的確な表現を持ち出したものだな」", "366000711_10": "「元の世界でのわたしの心には、邪悪なるもう1人の人格が\\n 巣くっていたのだ」", "366000711_11": "「時には主人格を支配されることもあったが……、\\n このように、対面することなどなかった」", "366000711_12": "「あくまでも1つの身体に宿った、別の人格であったはずなのだ。\\n それが……なぜ?」", "366000711_13": "「それがこの世界の力だ!\\n 『黄金の枝』に導かれし、オレの望む世界のな!!」", "366000711_14": "「『黄金の枝』に導かれた世界だとッ!?」", "366000711_15": "「な、なぜおまえが『黄金の枝』を……!?」", "366000711_16": "「探させていたであろう?\\n おまえの側近が嬉しそうに報告に来てくれたわ!」", "366000711_17": "「く、よもや主人格を乗っ取られている間に\\n 発見の報せが届いていたとは……」", "366000711_18": "「アテナが感じた邪悪な小宇宙とは……、\\n おまえのことだったのだな」", "366000711_19": "「それで!? おまえは何を企んでいる!?\\n どうしてオレ達を襲ったんだ!?」", "366000711_20": "「ククク……確かにこの世界はオレが望むものだった」", "366000711_21": "「オレがオレ自身として、\\n 誰に咎められることなく存在できる世界」", "366000711_22": "「しかし、所詮は仮初。\\n 時が来れば、この世界は音もなく崩れ去ってしまうのだ」", "366000711_23": "「だから自暴自棄になったとでも言うのか!?」", "366000711_24": "「自棄になる必要がどこにある?\\n この世界が崩れる前に、元の世界に戻ればよいだけだ」", "366000711_25": "「オレの身体から、善人ぶった甘い人格を排除し\\n オレ1人の人格を持ったサガとしてな!」", "366000711_26": "「おまえが聖域に帰るということは、邪悪な小宇宙を\\n 聖域に放つということと変わらん」", "366000711_27": "「そんなことさせるか!」", "366000711_28": "「……待ちたまえ」", "366000711_29": "「これは、わたしの失策により招かれた事態。\\n ならば、自らの手によって始末をつけるべきだ」", "366000711_30": "「――ほとばしれ! 我が小宇宙よ!」", "366000711_31": "「なんだよ、このとんでもない小宇宙は……ッ!?」", "366000711_32": "「さあ、決着をつけよう。\\n 今こそ女神の黄金聖闘士として、正義を尽くそう!」", "366000711_33": "「クククッ……流石の小宇宙だが、ここが、\\n オレの望んだ世界だということを思い知るがいい!!」", "366000711_34": "「空気が、震えてる……ッ!!」", "366000711_35": "「明らかに、悪そうなサガの小宇宙の方が強大じゃねーかッ!!」", "366000711_36": "「なんのために青銅聖闘士のような虫ケラ共を\\n 洗脳までしたと思っているのだ!」", "366000711_37": "「おまえたちが小宇宙を高め、戦えば戦うほど\\n この世界に、邪悪なる小宇宙は満ちるのだ!!」", "366000711_38": "「もはや、1人の黄金聖闘士程度\\n 雑兵と変わらぬわ!!」", "366000711_39": "「く……ここまでの力を……!?\\n しかし、引く訳にはいかぬ!」", "366000711_40": "「悲しい程の貧弱さよ。\\n 早々に諦めて、その身体を明け渡すのだ!!」", "366000711_41": "「ならば、これならどうだ!\\n ギャラクシアンエクスプロージョン!」", "366000711_42": "「――ギャラクシアンエクスプロージョン!」", "366000711_43": "「ぐ……」", "366000711_44": "「クックックック……、\\n そろそろ格の違いというものを思い知ったか?」", "366000711_45": "「安心して消滅するがよい。\\n その身体は、オレが十全に使い尽くしてやろう」", "366000711_46": "「あたしたちがそんなことをッ!」", "366000711_47": "「させると思ったかッ!!」", "366000711_48": "「今のうちにサガさんをッ!!」", "366000711_49": "「いや!\\n ここで逃がしてもらえるほど甘い相手じゃない!!」", "366000711_50": "「おまえたちこそ逃げろ。\\n できればそこで倒れている3人の青銅聖闘士を頼む」", "366000711_51": "「おまえたちヒヨコは、オレの話が理解できぬのか!?\\n この地で小宇宙を爆発すればするほど――」", "366000711_52": "「邪悪な小宇宙が満ち、オレの力が増すと教えてやったと言うのに\\n やはり虫ケラは虫ケラ!」", "366000711_53": "「――滅びよ!\\n ギャラクシアン――」 ", "366000711_54": "「ま、待て……。\\n わたしは……まだ朽ちては……おらぬ……」", "366000711_55": "「流石はオレの身体と言う所か。\\n では、希望通り引導を渡してやろう!」", "366000711_56": "「星矢、一輝、皆を頼む!", "366000711_57": " アナザーディメンション!!」", "366000711_58": "「フッ……ウワーッハハハハ!」", "366000711_59": "「まだ偽善を貫くか、まぁ良い! おまえの身体さえ残れば、\\n ヒヨコや虫ケラ共に用などないわ!!」", "366000711_60": "「なんだよこれッ!」", "366000711_61": "「オレたちを逃がすつもりなんだ!」", "366000711_62": "「そんなのダメだよッ!\\n サガさ――ッ!」" }