{ "364000921_0": "「確かにやるみたいだが、\\n ウチらがただの人間に負けるかよ――ッ!」", "364000921_1": "「ぐあ……ッ!」", "364000921_2": "「ま、参りました」", "364000921_3": "「ですが、社長がお逃げする時間が稼げたのなら、\\n 本望……」", "364000921_4": "「無駄な時間を食ったうえに、\\n 社長をまんまと逃がしたゼ……」", "364000921_5": "「今は放っておきましょう。\\n リキッドを手に入れられただけでもグッジョブよ」", "364000921_6": "「これが怪物化の解毒薬だというのなら、\\n わたくしめらを人間にすることもできるのでしょうか……」", "364000921_7": "「……かも、しれないわね」", "364000921_8": "「でも、この解毒薬は1本だけ」", "364000921_9": "「わたくしめらが人間に戻るときは、\\n 3人一緒に……ッ!」", "364000921_10": "「ああ……。", "364000921_11": " だから、今この時じゃないんだゼ」", "364000921_12": "「ミラアルクちゃん、エルザちゃん、\\n お姉ちゃん鼻が高いわ」", "364000921_13": "「あの子たちに乗せられてしまったのは\\n 少し癪だけど……」", "364000921_14": "「解毒薬『アンチ・ティアマトリキッド』は手に入れたわ。\\n 受け取りなさいッ!」", "364000921_15": "「ありがとうッ、確かに受け取ったわッ!", "364000921_16": " 早くこれを奈々美に……ッ!」", "364000921_17": "「これ以上は、\\n デヴァステイターの稼働時間も持ちません……ッ!」", "364000921_18": "「グォォォォォッ!」", "364000921_19": "「ユミッ、早くッ!」", "364000921_20": "「分かってるッ、つーのッ!」", "364000921_21": "「ガォォンッ!!」", "364000921_22": "「オオオオオオオオオオオオオオオオッ!?」", "364000921_23": "「動きが止まった……ッ!」", "364000921_24": "「これで、きっと元に……」", "364000921_25": "「ギャオオオオオオオオッ!」", "364000921_26": "「うわあッ!?\\n なんでまだこんな力がッ!?」", "364000921_27": "「怪物因子を強引に逆行させた結果、\\n 反作用が起きて暴走しているわッ!」", "364000921_28": "「なにそれッ!? どういうこと?\\n 解毒薬じゃあなかったのッ!?」", "364000921_29": "「確かにその通り。\\n だけどその変化が強すぎて、暴走している……ッ!」", "364000921_30": "「怪物の力を暴れるがままにしておけば、\\n 下手をすると自壊してしまうわ」", "364000921_31": "「それはつまり、佐野さんも死んでしまうと……」", "364000921_32": "「そんな、ここまで来て――」", "364000921_33": "「だったら、少しでも怪物の力を削いで、\\n ナナミンを応援しなくちゃッ! あ……」", "364000921_34": "「時間切れのようです……」", "364000921_35": "「どうしてッ!」", "364000921_36": "「あたしたちはもう、戦えない……。\\n ならば――ッ!」", "364000921_37": "「お願いがあるの、ヴァネッサ、ミラアルク、エルザ。\\n 奈々美を助けてあげて……」", "364000921_38": "「簡単に言ってくれるが、暴走状態のアレを相手取るとか、\\n 普通に自殺行為だゼ……」", "364000921_39": "「後生だから……」", "364000921_40": "「…………」", "364000921_41": "「手伝いたいですが、この怪我では……」", "364000921_42": "「手はあるわよ」", "364000921_43": "「社長が落としたティアマトリキッド。\\n わたしたちなら、制御できるのではないかしら?」", "364000921_44": "「だけどヴァネッサ、その方法は\\n ウチらが、より人間から遠ざかるってことだゼ?」", "364000921_45": "「ええ。だから2人に聞きたいの。\\n どうしたいか」", "364000921_46": "「わたくしめらは、今まで殺すことでしか救えないと\\n 信じてきたであります……」", "364000921_47": "「でもあいつらは、たった1つの可能性を手繰ってみせた。\\n ウチらを使ってまで――」", "364000921_48": "「だから、今回だけは――」", "364000921_49": "「ええ。やりましょう。\\n わたしたちの、深紅の誇りを見せるときよ」", "364000921_50": "「ああッ!」", "364000921_51": "「ガンスッ!」", "364000921_52": "「おおおおおおおおッ!」", "364000921_53": "「怪物の力が、身体の中で大きく膨らんで……ッ!」", "364000921_54": "「だけど、やってやるッ!\\n 抑えてみせるゼッ!」", "364000921_55": "「今回に限り、誰かの明日を救うために……ッ!」", "364000921_56": "「より醜く、より禍々しく……。\\n これが、怪物に近づいたわたくしめらの姿でありますッ!」", "364000921_57": "「だけど、3人一緒に背負う運命ならば、\\n 不思議と怖くはないんだゼッ!」", "364000921_58": "「悪にあるまじき行為、かもしれないけれど、\\n わたしたちを信じてくれたあの子たちのため――」", "364000921_59": "「時にはこういうのも、いいんじゃないかしら」" }