{ "360000512_0": "「随分と攻撃の手も緩んできたなッ!」", "360000512_1": "「ウオオオォォ――ッ!\\n こんなわけ……こんなわけが……ッ!」", "360000512_2": "「もう、そんな攻撃は通じないんだゾッ!」", "360000512_3": "「万策尽きたみたいですし、\\n そろそろトドメといきましょうか」", "360000512_4": "「こんなことなら……」", "360000512_5": "「なんか変な気配がするゾ……」", "360000512_6": "「あの化物から、とてつもないエネルギーを感じるわ」", "360000512_7": "「まるで私たちの黄金錬成のように、\\n 内部でエネルギーを圧縮しているようだ……」", "360000512_8": "「クオオ……全てバラバラにして……、\\n オオ……また1つになって……オオ……」", "360000512_9": "「バラバラにするって、まさか――」", "360000512_10": "「自爆する気なのかッ!」", "360000512_11": "「次はお前たちもまとめて、1つになるんだ……」", "360000512_12": "「もう完全なるやけっぱちですね……」", "360000512_13": "「けれど、こんなところで爆発なんて起きたら……」", "360000512_14": "「錬金術師協会本部が吹っ飛ぶゾッ!」", "360000512_15": "「マスターの研究なんかも全て消えて――」", "360000512_16": "「冗談じゃないですよッ!\\n そんなことになったら、どれだけどやされることかッ!」", "360000512_17": "「どやされるだけで済めばいいですけれど……」", "360000512_18": "「くッ……わざわざ無理を言って帰ってきたというのに、\\n これなら地味に留まっておくべきだったか」", "360000512_19": "「ちょっとちょっと、あれだけ説教しておいて、\\n 本音では自分だけ責任を逃れたいんですか?」", "360000512_20": "「グオオォ……もう……限界……」", "360000512_21": "「まずいッ! 悠長に話している時間はないぞッ!」", "360000512_22": "「こうなったら一か八かやるしかありませんわッ!」", "360000512_23": "「ああ、今こそ再びラピスの力を1つに……ッ!」", "360000512_24": "「でもガリィちゃんは、さっきの発言を忘れませんからね」", "360000512_25": "「ガリィはいちいち細かいことを気にしすぎなんだゾッ!」", "360000512_26": "「なんだとッ! お前も後で覚えてろよッ!」", "360000512_27": "「さあ、力を1つに――ッ!」", "360000512_28": "「バ……バカな……オオオオッ!」", "360000512_29": "「あ、やばい。爆発しそう……」", "360000512_30": "「くッ、足りませんでしたの……ッ!?」", "360000512_31": "「グオオオオオオオオオオオオオ――」", "360000512_32": "「爆発は……」", "360000512_33": "「起きてないのカ……?」", "360000512_34": "「どうやらそのようですね。\\n あたしはあたしのままですし」", "360000512_35": "「どういう意味だ?」", "360000512_36": "「あいつの爆発に巻き込まれて、その反動で合体して、\\n 本当の意味でみんな1つになるのかと、覚悟したんですよ」", "360000512_37": "「あなたと1つになるなんてゾッとしますわね」", "360000512_38": "「お互い様ですねー」", "360000512_39": "「またケンカするのカ?」", "360000512_40": "「フンッ!」", "360000512_41": "「しかし……あいつはどこへ? 逃げたのでしょうか?」", "360000512_42": "「いや、見ろ。そこら中に飛び散っているものを」", "360000512_43": "「無数の聖遺物……委細はわからないが、\\n これがあいつの正体だった、ということじゃないのか?」", "360000512_44": "「そうだゾ。あいつが食い散らかしたのが\\n 全部出てきたみたいだゾ」", "360000512_45": "「大きな爆発は起こせなかったけれど、\\n 自分がバラバラになる程度には弾けたということですわね」", "360000512_46": "「ん? あそこにいるのは……ッ!」", "360000512_47": "「人間みたいだが……」", "360000512_48": "「あれは、侵入者ですわッ! \\n 2人組の片割れが、あの化物に食われたんです」", "360000512_49": "「へー、1人かと思ったら2人いたんですか。\\n それなら、こんな大事になっても仕方ないですよね」", "360000512_50": "「違うゾ。あたしたちが協力しなかったせいだゾ」", "360000512_51": "「くッ、こいつはいちいち……」", "360000512_52": "「うッ……く……」", "360000512_53": "「まあ、どうやらあの人間も生きているようだし、\\n これで一息つけますわね」", "360000512_54": "「一時はどうなるかと思ったけど、\\n ここに散らばってる物を保管庫に戻せば全て元通りですね」", "360000512_55": "「それじゃあ、みんなで片付けましょうか」", "360000512_56": "「もちろんだゾッ!」", "360000512_57": "「ああ、私も地味に手を貸すとしよう」", "360000512_58": "「さあさあ、証拠はさっさと隠滅するに限りますからね」", "360000512_59": "「手伝った方がいいのかな、僕も」", "360000512_60": "「ええ、暇ならぜひお願いしま――、", "360000512_61": " うわッ!? なんでここにッ!」", "360000512_62": "「当然だろう、あれだけ騒ぎを起こしたのだから。\\n 説明してくれないかな、何があったのか」", "360000512_63": "「は、はいだゾ……」", "360000512_64": "「ええっと、私は……」", "360000512_65": "「そちらは、その……後ほど報告書にまとめて提出しますわ」", "360000512_66": "「チッ、まったく間の悪い……」", "360000512_67": "「別に報告書をもらおうかな、君だけは」", "360000512_68": "「クソッ! なんなのよ、もうッ!」" }