{ "342000921_0": "「誤り無き正義を司る天主よ。\\n その忠実な僕にして、信託を与えし大天使聖ミカエルよ――」", "342000921_1": "「この詠唱……ッ!?」", "342000921_2": "「奴の方からやってきただとッ!?\\n しかも聖女の輝きを使おうと――」", "342000921_3": "「其の右の手には、主の敵を討つ剣。\\n 其の左の手には、忠実なる人の魂を図る秤――」", "342000921_4": "「――囲まれたッ!?」", "342000921_5": "「残念でしたね……クク」", "342000921_6": "「あまたの天使を率い、全能なる天主の敵を討ち滅ぼした、\\n 最も偉大な神の戦士よ――」", "342000921_7": "「さあ、もう詠唱が完了しますッ!\\n あなたたちが消えれば、もはや私たちに敵は無いッ!」", "342000921_8": "「――願わくは戦いにおいてわれらを護り、その祈りを阻む者、\\n 愛すべき御父に背きし者を誅滅する――裁きの、顕現をッ!」", "342000921_9": "「聖女の輝き――だが、それも想定内だッ!」", "342000921_10": "「――おおおおおッ!」", "342000921_11": "「地の元素よッ! 覆えッ!」", "342000921_12": "「よし――これで私たちは、完全に土のドームの中だッ!」", "342000921_13": "「これは……まさかッ!?」", "342000921_14": "「大成功でしたねッ!」", "342000921_15": "「ああ……防がせてもらったぞ」", "342000921_16": "「何故……通じないのですッ!」", "342000921_17": "「どうして聖女の力が――ッ!?」", "342000921_18": "「それは、その力が哲学兵装だとわかったからだ」", "342000921_19": "「単純な話だ。存在を選別する『光』である以上、\\n 私たちが光を認識しなければ、選別は行われない」", "342000921_20": "「ソードブレイカーが剣と定義したものを壊すのと同じだ。\\n 見た目は剣でも、剣との認識が無ければ発動しない」", "342000921_21": "「光が溢れる前に、土で覆って光を見えなくすれば――」", "342000921_22": "「――光は認識されず、結果、聖女の輝きは効果を\\n 発揮できないということだ」", "342000921_23": "「――ならば直接斬り結ぶだけですッ!」", "342000921_24": "「サンジェルマンさんッ!\\n ジャンヌさんをお願いしますッ!」", "342000921_25": "「――わかっているッ!\\n ジャネットは私が――」", "342000921_26": "「くッ……そうはさせませんッ! サンジェルマンは\\n 最優先で殺さねばッ! 騎士人形たちよ――ッ!」", "342000921_27": "「――人形などに邪魔はさせんッ!」", "342000921_28": "「何ッ!? ならば私が直接――」", "342000921_29": "「――あなたの相手は、わたしの役目ですッ!」", "342000921_30": "「このッ……全く邪魔な――ッ!」", "342000921_31": "「ここは、わたしたちが死守しますッ!」", "342000921_32": "「ああ。サンジェルマンとジャンヌの戦いには、手出しさせん。\\n 邪魔をしたかったら、先にオレたちを倒すんだな」", "342000921_33": "「その姿……あなた、何者ですか?」", "342000921_34": "「……この姿で会うのは初めてだったな。\\n オレの城に土足で上がり、虚仮にしてくれた礼に来てやったぞ」", "342000921_35": "「その物言い、確かキャロル……ですか。\\n そうですか、その姿が本当の――」", "342000921_36": "「力の解放に合わせて姿が変化しただけだ。\\n 本物も偽物もない」", "342000921_37": "「だが、この姿のオレをこの前と同じだと思うなよ」", "342000921_38": "「多少力が増した程度、どうということもありません。\\n 戦いは数、物量こそが正義。それをすぐにわからせてあげます」" }