{ "359000521_0": "(思い出せ……。ズノートの中には、\\n 何が記録されていた……?)", "359000521_1": "「ララがブリッツァーになった後のこと。\\n 調査のために偶然訪れた並行世界で、あの子と出会った」", "359000521_2": "「兵士に殺されそうになっているところを助けて――\\n それだけのはずだった」", "359000521_3": "「けれどそのまま放っておけないくらい、\\n その子は傷ついていたし、その世界は混乱していたの」", "359000521_4": "「私は、その子を研究所に連れて帰ることにした」", "359000521_5": "「心に傷を負ったその子を見て、テスラは最後の\\n ブリッツァーに成りうると言っていたわ」", "359000521_6": "「3、6、9という数字にこだわるテスラは、\\n ブリッツァーも3人いるべきだと考えていたみたい」", "359000521_7": "「だけどその子は当初、\\n 心を閉ざしていて……」", "359000521_8": "「フォルテ、ララとお話しよッ!」", "359000521_9": "「フォルテ? 何言ってんだてめー」", "359000521_10": "「フォルテの名前。\\n 無いっていうから、スターリットつけた」", "359000521_11": "「勝手なことしてんじゃねーよ……ッ!」", "359000521_12": "「じゃあ名前ある?」", "359000521_13": "「最初にアタシに名前を付けたヤツは、アタシを残して死んだ」", "359000521_14": "「次にアタシに名前を付けたヤツは、アタシを騙す悪党だった。\\n 名前なんざ、商品番号くらいにしか思ってなかったんだ……」", "359000521_15": "「だから、アタシに名前なんかいらねーんだよッ!」", "359000521_16": "「でもララ、呼べないと困る。\\n だから、フォルテッ!」", "359000521_17": "「てめーなんかに、呼ばれたくねーって言ってんだッ!\\n 黙る気がねーなら――」", "359000521_18": "「はいはーい。そこまでだよ」", "359000521_19": "「ご飯ができたから、一緒に食べよう?」", "359000521_20": "「いらねー……」", "359000521_21": "「そう? おいしいのに……」", "359000521_22": "「てめー……、\\n アタシをこんなところに連れてきてどういうつもりだ?」", "359000521_23": "「見たところ研究所みてーだし、\\n アタシをモルモットにでもするのかよ?」", "359000521_24": "「そんなことしないよ」", "359000521_25": "「ただ、あなたのことを知って、\\n 仲良くなりたいだけ」", "359000521_26": "「ふざけんな……ッ!\\n みんな言うことは同じだ」", "359000521_27": "「口先では君が大切だだの、家族になろうだのとほざいて、\\n 心の中では自分のことしか考えてねーんだよ……ッ!」", "359000521_28": "「スターリット、違う――ッ!」", "359000521_29": "「黙れッ!」", "359000521_30": "「せいぜいアタシを見張っておくんだな。\\n こんなところ、すぐに逃げ出してやるぜッ!」", "359000521_31": "「フォルテは本当に逃げ出した」", "359000521_32": "「しかも、完成したばかりのエレクライトを奪って、\\n 研究所を半壊させたうえで」", "359000521_33": "「あれには正直、焦ったわ……」", "359000521_34": "「だけど、憎しみを持ったフォルテが向かった先は、\\n すぐにわかった――」", "359000521_35": "「ぶっ壊れちまえ……ッ!」", "359000521_36": "「すげー力だ……」", "359000521_37": "「アタシを苦しめてきたものを\\n 全部ぶっ壊すことができる……」", "359000521_38": "「アタシに力があればってずっと望んでた……。\\n それがやっと……」", "359000521_39": "「アイツです……ッ! あの赤いスーツの少女が、\\n 敵も味方も関係なく滅茶苦茶な破壊を行っていますッ!」", "359000521_40": "「目標を切り替えるぞッ!\\n 全火力を奴に集中させろ……ッ!」", "359000521_41": "「は……ッ!\\n 最高位のアルカ・ノイズを投入しますッ!」", "359000521_42": "「でけーな……。\\n でも、この装備なら――」", "359000521_43": "「受け止めきれな――」", "359000521_44": "「ぐああああ……ッ!?」", "359000521_45": "「く、くそ……」", "359000521_46": "「力を手に入れたと思ったのに……。\\n 結局、運命は変えられねーのかよ……ッ!」", "359000521_47": "「最後まで、独りのまま死んでいくのか……」", "359000521_48": "「フォルテ、護るッ!」", "359000521_49": "「うちの子を傷つけさせないわよ……ッ!」", "359000521_50": "「な……なんで……」", "359000521_51": "「迎え来たッ!」", "359000521_52": "「仲間になるんだから、助けるのは当然でしょう?」", "359000521_53": "「――ッ!」", "359000521_54": "「素晴らしい。\\n 初めてでここまでエレクライトを使いこなしているのか」", "359000521_55": "「て、てめー……生きてやがったのか」", "359000521_56": "「君は間違いなく、\\n 第三のブリッツァーだ」", "359000521_57": "「あぁんッ!? つまりアタシを、モルモットじゃなくて\\n 兵隊にしようってことだよな……ッ!」", "359000521_58": "「目的はなんだ?\\n 結局戦争かよッ!?」", "359000521_59": "「違うな。\\n 私の目的はこれだ」", "359000521_60": "「なんだッ!?\\n この光、そして揺れは……ッ!?」", "359000521_61": "「そ、それより、\\n 何かが近づいてきて――」", "359000521_62": "「がああ――ッ!?」", "359000521_63": "「な、なんだよこれ……」", "359000521_64": "「この並行世界を消滅させる」", "359000521_65": "「アタシの地獄を、消す……?」", "359000521_66": "「そして、苦しみのない理想郷を作るのだ」", "359000521_67": "「私たちと共にくれば、\\n そこで永遠に共にいることができる」", "359000521_68": "「…………ッ!」", "359000521_69": "「そのために、君の力が必要だ。\\n 協力してくれないか?」", "359000521_70": "「……わかった、協力してやるぜ……」", "359000521_71": "「こんなふうに、地獄をぶっ壊せるっていうならな――ッ!」", "359000521_72": "「そうして、T.E.C.のメンバーは揃い、\\n 私たちは仲間に、家族になった」", "359000521_73": "「フォルテはそれからいくつもの並行世界を見て、\\n どこに行っても、人々が争い合っている現実を知ったわ」", "359000521_74": "「そして、それらをすべて消し去ることで\\n 自分の幸せを手に入れるんだと言った」", "359000521_75": "「だけど、本当にそれがフォルテの望みなのかな……」", "359000521_76": "「あの子が欲しがっているのは、\\n もっと単純なものなんじゃないかって思う」", "359000521_77": "「私はいつか、あの子がそれに気づくって信じてる――」", "359000521_78": "「目的は……世界への復讐……」", "359000521_79": "「ああ、そうだ……」", "359000521_80": "「アタシからすべてを奪ったこの世界を全部\\n ぶっ壊してやるんだよッ!!」" }