{ "506000531_0": "「シンフォギアが滅ぼした世界を延命するために、\\n 人の命を代償として力を発揮するのが、カヴァーチャ……」", "506000531_1": "「なら、それは対シンフォギアの道具なんかじゃない。\\n むしろ、この世界なりのシンフォギア改だってことか……」", "506000531_2": "「カイくん、神様はどうしたの?\\n エネルギーを使い切ってまで手を伸ばした、この星の人は……」", "506000531_3": "「何も」", "506000531_4": "「何……も……?」", "506000531_5": "「急速に星命力を使い果たしたこの星は箱庭として『使えない』。\\n すぐ切り捨てられちゃったってさ」", "506000531_6": "「この星は捨てられたんだよ、神に――創造主に。", "506000531_7": " 見放された世界なんだ」", "506000531_8": "「きっと人類が生まれるまでにも、そうやって切り捨てられた\\n 星や生命がたくさんあったんだろうな」", "506000531_9": "「……ああ、そうかもしれないね」", "506000531_10": "「そのカヴァーチャ・システムっていうのは、\\n どうやって産み出されたの?」", "506000531_11": "「ええー、そんな大事な記憶も代償にしちゃったの?\\n 戦士候補なら必ず聞くことなのにさ」", "506000531_12": "「ご、ごめんね」", "506000531_13": "「いいって。\\n 戦士様はもっと堂々としないとッ!」", "506000531_14": "「カヴァーチャ・システムの根幹は\\n 『人の想いの累積』なんだ」", "506000531_15": "「この世界に生きてきた人たちが『この世界を救いたい』って、\\n 想いを重ね、繋いで、託し、受け継がれてきた力」", "506000531_16": "「この星で唯一、\\n 失われない力だよッ!」", "506000531_17": "「だからこそ『選ばれた』人は強いんだ。\\n 戦士様はみんなの想いを継いで戦っているから」", "506000531_18": "「全てが消費されてなくなってしまう世界で、\\n それでも積み重ねられてきた唯一のものが、人の想い……」", "506000531_19": "(八千八声――\\n 啼いて血を吐く、ホトトギス)", "506000531_20": "(――血を吐き唄うその鳥は、\\n 不如帰去と鳴いたともいう……)", "506000531_21": "(かえりゆくにしかず。\\n 巡りの中に『帰れない』なら――)", "506000531_22": "(ただ積み上がったその想いは、\\n いったいどれほどの重さで、どこに向かうというのだろう?)" }