{ "501000611_0": "死に絶えた世界", "501000611_1": "「う、うう……\\n 地面に、叩きつけられた……?」", "501000611_2": "「――ッ、いたた……」", "501000611_3": "「ここは……どこだろう?\\n 見渡す限りの、荒地……」", "501000611_4": "「――そうだッ!?\\n みんなはッ!?」", "501000611_5": "「あ、響ッ!」", "501000611_6": "「――未来ッ!?」", "501000611_7": "「良かった、無事なんだねッ!?」", "501000611_8": "「うん、わたしは大丈夫。", "501000611_9": " 未来はッ!? 他のみんなはッ!?」", "501000611_10": "「わたしもみんなも、大丈夫だよ。\\n ほら、あそこに」", "501000611_11": "「くッ……、\\n 不覚を取ったな」", "501000611_12": "「くそ、いきなりとはいえ……\\n なんてザマだよ」", "501000611_13": "「ん?\\n そういえば、あいつらは……?」", "501000611_14": "「生憎だけど、\\n 2人とも無事ですよ」", "501000611_15": "「残念だったな。\\n この程度で、くたばってなんかいられるか」", "501000611_16": "「……そんなつもりで言ってないんだけどな。", "501000611_17": " とにかく、全員無事みたいだな」", "501000611_18": "「それにしても……、\\n どこだよ、ここは?」", "501000611_19": "「特に、\\n 目印になるものも見当たらないね……」", "501000611_20": "「通信も、通じなくなっているみたい。\\n ……そっちはどうですか?」", "501000611_21": "「ん……」", "501000611_22": "「……ダメ、ですね。\\n こちらも通じません」", "501000611_23": "「せめてもの救いは、\\n カルマノイズやカオスビーストの類がいないことだな」", "501000611_24": "「あの化け物巫女のことだ。飛ばされた先で、\\n 大量の敵に囲まれる……くらいは覚悟していたが」", "501000611_25": "「敵どころか、生命の気配すらない……\\n いったいどこなんだ、ここは?」", "501000611_26": "「……推測になりますが」", "501000611_27": "「恐らくここは、\\n 世界蛇によって食い尽くされた後の世界かと……」", "501000611_28": "「……ああ。\\n この世界は、既に星命力を根こそぎ奪われている」", "501000611_29": "「そんな……。\\n 世界蛇に食べられた世界は、こんな風に……?」", "501000611_30": "「……静寂で、耳が痛く感じるほどだ。\\n これが、全てが喰らい尽くされた世界……」", "501000611_31": "「こんな世界を、世界蛇は……ベアトリーチェは、\\n いくつも生み出しているっていうこと……?」", "501000611_32": "「……うなだれるよりも、\\n 先のことを考えましょう」", "501000611_33": "「そうだな、いつまでもこんな場所にはいられない。\\n 元の世界に戻る方法を探すぞ」", "501000611_34": "「……すごいね、2人共。\\n こんな光景を見せられても、すぐに動き出せるなんて」", "501000611_35": "「当たり前です」", "501000611_36": "「……え?」", "501000611_37": "「……だってここは、\\n わたしたちの世界によく似ていますから」", "501000611_38": "「言っちゃなんだが、こんな光景見慣れてるんだよ。\\n この程度、いちいち打ちひしがれていられるか」", "501000611_39": "「このような、\\n 命から見放された世界であっても――」", "501000611_40": "「わたしたちは、生きるために。\\n 先に進むことを諦めませんよ」", "501000611_41": "「……」", "501000611_42": "「とりあえず、進むぞ。\\n 立ち止まっている暇なんかないだろう、お前たちも」", "501000611_43": "「……そうだね。\\n 行こうッ!!」" }