{ "397000221_0": "(響さんたちも、現地の救助活動で手いっぱい……\\n すぐには戻れないと見るべきですね)", "397000221_1": "「日本の各地にて、\\n 同時多発災害の対処に当たっている自衛隊から救援要請ッ!」", "397000221_2": "「海外からも多数の要請ありッ!」", "397000221_3": "「やはり、通常兵器の効き目は薄いようです……ッ」", "397000221_4": "「それに加えて、怪物の出現地点では意識不明者が\\n 続出しているとの報告もありますッ!」", "397000221_5": "「……おそらく、これは人為的な災害です。\\n その首謀者と思しき人物と、響さんたちが接触したようです」", "397000221_6": "「曰く、被害者は『想い出』を吸われたと……」", "397000221_7": "「想い出……ッ!?\\n まさか錬金術師ッ!?」", "397000221_8": "「魔法少女事変において、自動人形によって昏睡状態に\\n 陥っていた被害者と同じ状態、ということでしょうか?」", "397000221_9": "「断定はできません。\\n いずれにしろ、今は事態の究明よりも対処が先です」", "397000221_10": "「件の怪物は以後、響さんたちから共有された情報に伴って\\n ドッペルゲンガーと呼称します」", "397000221_11": "「ドッペルゲンガー……ッ!?\\n まさか、藤尭さんが言っていた噂にも繋がると……ッ!?」", "397000221_12": "「――当面の方針としては、\\n ドッペルゲンガーの撃破を最優先とします」", "397000221_13": "「し、しかし、\\n 装者たちは皆、身動きが……」", "397000221_14": "「僕が出ます」", "397000221_15": "「緒川さんは今、司令代理ですッ!\\n ここを留守にするのは……」", "397000221_16": "「戦える人間が他にいないのなら、風鳴司令だって出撃します。\\n 幸いにして、敵はアルカ・ノイズではないようですしね」", "397000221_17": "「それなら、\\n いくらかでも戦える者が迎撃に向かうべきです」", "397000221_18": "「でも、それじゃあ、\\n ここの指揮は……ッ」", "397000221_19": "「……司令不在の穴はもとより、\\n 僕が1人で埋められるものではありません」", "397000221_20": "「え……?」", "397000221_21": "「全員で互いをカバーし合えば、できることもある……。\\n そういうことですか」", "397000221_22": "「そんな無茶な……とは思うけれど、\\n 私たちだって、確かに何度も修羅場を経験している」", "397000221_23": "「計器の数値を読み上げるだけじゃ、\\n S.O.N.G.のオペレーターは務まらない。だろ?」", "397000221_24": "「――そうね。指示を待つだけで銃後の護りが\\n 務まるほど、S.O.N.G.の仕事は甘くないわ」", "397000221_25": "「藤尭さん、友里さん……」", "397000221_26": "「――わかりましたッ!\\n 及ばずながら、ボクもお力になれるよう、頑張りますッ!」", "397000221_27": "「緒川さん、行ってください。\\n ここは私たちが預かりますッ!」", "397000221_28": "「ありがとうございます。", "397000221_29": " ――以後、判断の全権を友里さんに委譲しますッ!」", "397000221_30": "「それでは、ここをよろしくお願いしますッ!」", "397000221_31": "「「「はいッ!!」」」", "397000221_32": "「フン……バカみたいにデケェ地震が収まったかと思えば、\\n 妙な気配が現れやがったな」", "397000221_33": "「何か……胸がざわつくような感じがします。イシムの眷属を\\n 相手にした時みたいに、首筋がぴりぴりするような……」", "397000221_34": "「師範ッ! 街に急ぎましょうッ!\\n これはきっと、なにか大変なことが起こってますッ!!」", "397000221_35": "「ま、いいだろう。熊を相手にするのも飽きていたところだ。", "397000221_36": " ちょっとは手応えのある相手であることを期待するとするか」" }