{ "387000721_0": "「はッ、はッ、はッ……、\\n 目標までもう少しッ!」", "387000721_1": "「ふ、ふざけ……やがって……ッ!", "387000721_2": " おっさんの、修行みたいに、走らせられるとは……ッ!」", "387000721_3": "「普段から鍛えていないからよッ!\\n 歌の基本は基礎体力ッ! 翼に習っていないのッ!?」", "387000721_4": "「リディアン音楽院の授業でだって教わるデスッ!」", "387000721_5": "「あーあーあたしが悪かったッ!\\n この大荷物を抱えて走ってるだけ、褒めてほしいけどなッ!」", "387000721_6": "「ごめんなさい、急造したアンチフォニックゲイン照射装置、\\n 小型化が間に合わなくて……」", "387000721_7": "「出力もまだ不足しているので、強大なオケアノスを封じるには、\\n 複数の箇所から同時に照射するしか方法がないんです」", "387000721_8": "「要するにッ、この機械でッ、\\n イシムを、囲んでやればいいんだろッ!」", "387000721_9": "「みんなで分担して装置をドン、\\n 世界蛇を倒す時にもやったデスッ!」", "387000721_10": "「今回は並行世界の助けもないし、ギアも使えない。\\n それでもできることで戦いましょうッ!」", "387000721_11": "「しかし設置はお前たちでなくとも可能だ。\\n 無理に戦場に出る必要はなかったんだぞ」", "387000721_12": "「誰がやっても危険なのは変わらないですッ!\\n それならわたしたちがッ!」", "387000721_13": "「イシムに見つかったとしても、\\n わたしたちならあの子に呼びかけるチャンスでしょう?」", "387000721_14": "「イシムの注意を引ける可能性があるのも、\\n あたしたちくらいだろうしなッ!」", "387000721_15": "「アタシたちが一番の適任デスッ!\\n 荷物運びだって任せとくデスッ!」", "387000721_16": "「理屈は通っているから許可は出したがな……。\\n まもなく散開地点だ。各自警戒を怠るな、必ず無事に戻れッ!」", "387000721_17": "「もちろんですッ!\\n 明日香ちゃんを助けるまで倒れるわけにはいきませんよッ!」", "387000721_18": "「では、現地点から指示した方角に移動をお願いしますッ!\\n ボクも、ボクたちにできることで一緒に戦いますッ!」", "387000721_19": "「応ッ!」", "387000721_20": "「エルフナインちゃん、\\n 場所はここであってるよねッ!?」", "387000721_21": "「はい、こちらで設置の確認ができましたッ!\\n イシムに遭遇する前にその場を離れてくださいッ!」", "387000721_22": "「わかった、すぐに……", "387000721_23": " ッ!?」", "387000721_24": "「っく……お父さん……どこぉ……」", "387000721_25": "「今のは……泣き、声……?\\n 近くに逃げ遅れた人がいるッ!?」", "387000721_26": "「避難していない民間人かッ!?\\n すぐにこちらから部隊を送るッ!」", "387000721_27": "「それじゃ間に合わないッ!\\n わたしが助けに行きますッ!」", "387000721_28": "「待てッ! こちらに任せて響くんは撤退を……、\\n と言ったところで止まりはしないかッ!」", "387000721_29": "「いいな、十分に気を付けろッ!\\n 今の君はギアが使えないことを忘れるなッ!」", "387000721_30": "「はいッ!」", "387000721_31": "「声はこっちの方から……、\\n 誰の姿もないけど……」", "387000721_32": "「っ、ぅぅぅ、お父さん、お母さん……」", "387000721_33": "「いたッ! あの子だッ!」", "387000721_34": "「あ……?」", "387000721_35": "「あなたは……ッ!」", "387000721_36": "「ううん、なんでもない。もう大丈夫だよッ!\\n 見つからないように隠れてたんだね、偉いよッ!」", "387000721_37": "「お姉ちゃん、お母さんが、\\n お父さんもいないの……ッ!」", "387000721_38": "「すぐに2人に会えるからねッ!\\n さあ、こっちに――ッ!?」" }