{ "376000411_0": "6人のサバイバー", "376000411_1": "「……どう?\\n 何か見つかった?」", "376000411_2": "「全然ダメデスッ!\\n 食べ物も飲み物も、どこにもないデスよ」", "376000411_3": "「こっちもですッ!」", "376000411_4": "「どうしよう……」", "376000411_5": "「翼さんたちが元の世界に帰る方法を探して\\n くれている間に、食料調達をしておきたかったけど……」", "376000411_6": "「帰る方法がすぐ見つからなかった時、食べ物も飲み物も\\n なかったら大変デスもんね」", "376000411_7": "「そうですね。より危険な場所に調査に行っている3人の\\n ためにも、あたしたちが食料を調達しないといけませんッ!」", "376000411_8": "「じー……」", "376000411_9": "「なんですかッ!? ひょっとして、あたしの顔に\\n 見過ごせないほど大きな虫がついているとかッ!?」", "376000411_10": "「ううん、全然違うよ。\\n 水流さん、高校1年生だって言ってたよね?」", "376000411_11": "「はい、そうですが」", "376000411_12": "「わたしも切ちゃんも1年生だから、\\n 敬語じゃなくて大丈夫」", "376000411_13": "「ですが、暁さんは、\\n 敬語で話しているみたいですけど……」", "376000411_14": "「切ちゃんの『デス』は、\\n 敬語とはちょっと違うから大丈夫」", "376000411_15": "「いわゆる『アイデンティティ』というやつなのデスッ!」", "376000411_16": "「じゃあ……うん。\\n 改めてよろしくね、月読さん、暁さんッ!」", "376000411_17": "「こちらこそ」", "376000411_18": "「……ああッ! 2人ともッ!\\n 食料があったデスよッ!」", "376000411_19": "「本当ッ!?」", "376000411_20": "「ほら、これッ! 非常食みたいデスよッ!\\n 倉庫の中にたくさん入っていたデスッ!」", "376000411_21": "「お手柄だね、暁さんッ!」", "376000411_22": "「さっそく持って帰って……", "376000411_23": " って、ああッ!?」", "376000411_24": "「……手に取った瞬間、崩れちゃった……」", "376000411_25": "「ハ……ッ! ひょっとして、宇宙人による\\n 分子破壊光線を受けて……ッ!?」", "376000411_26": "「ううん。そうじゃなくて、\\n 長い時間放置されて風化しちゃってる」", "376000411_27": "「そ、そんな……これじゃあ、食べられないデス。\\n はぁ……がっかりデスよ……」", "376000411_28": "「この並行世界に、いったい何が……」", "376000411_29": "【ドクンッ――】", "376000411_30": "「――ッ!」", "376000411_31": "「な、何?\\n この感じ……」", "376000411_32": "「ん?\\n どうかしたデス?」", "376000411_33": "「いえ、その……変な感じがして。\\n 何かがこちらへ近づいてくるような……ッ!?」", "376000411_34": "「こいつらッ!\\n ここにも出たデスかッ!」", "376000411_35": "「水流さんは下がってて。\\n ここはわたしたちがッ!」" }