{ "504000521_0": "「うわあ……綺麗だゾッ!\\n すっごい景色なんダゾッ!」", "504000521_1": "「ええ、本当に……晴れた日のエベレストは、\\n こんなにも雄大だったんですのね」", "504000521_2": "「ああ、写真で見るのと\\n この目で見るのでは、派手に違う」", "504000521_3": "「改めてここに足を運んでよかったというものだ」", "504000521_4": "「…………」", "504000521_5": "「マスター。\\n そんな悲しそうな顔は、この景色には似合いませんってば」", "504000521_6": "「きっとあの子だって、\\n この山のどこかで笑ってますよぅ」", "504000521_7": "「ああ、そうだな……」", "504000521_8": "「……その花束は、あの子のために?」", "504000521_9": "「……ああ」", "504000521_10": "「祈りの言葉、福音の名前……\\n ギータ、か……」", "504000521_11": "「せめて、私たちも祈りを捧げましょう。\\n この霊峰に宿る、魂に」", "504000521_12": "「…………」", "504000521_13": "「さて、と。\\n それじゃあ、湿っぽいのはここまでにしてぇ……」", "504000521_14": "「せっかくですし、\\n あたしたちも記念写真を撮りましょうか☆」", "504000521_15": "「何故に、そのような案が唐突に出てくるッ!?」", "504000521_16": "「羨ましかったんですよねー。\\n 装者たちだけすっかり観光気分も味わっちゃってッ!」", "504000521_17": "「いい考えダゾッ!\\n あたしもマスターとの想い出を残すんだゾッ!」", "504000521_18": "「いや、だが、しかしだな――ッ!」", "504000521_19": "「恐れながら申し上げますわ、マスター。\\n たまには私たちにも、労いのご褒美があってもいいと思いますの」", "504000521_20": "「く……ッ!」", "504000521_21": "「さあマスター、\\n どうせなら派手に笑ってッ!」", "504000521_22": "「せーのッ!」" }