{ "504000422_0": "「ぐぅッ!」", "504000422_1": "「霊峰に宿る――\\n 宿ってしまった想い……なんて重いッ!!」", "504000422_2": "「けど……ッ!\\n そんなもんに……ッ!」", "504000422_3": "「うん。\\n 押し負けるわけには……ッ!!」", "504000422_4": "「――――」", "504000422_5": "「くそがぁッ! パワーがありすぎでしょうッ!\\n あと一手足りない感じじゃないですかッ!」", "504000422_6": "「あと一手――", "504000422_7": " ならばッ!!」", "504000422_8": "「ミカッ! レイアッ!\\n おまえたちの手元の『サガルマータの魂』をよこせッ!!」", "504000422_9": "「――ッ!", "504000422_10": " ガッテンだゾッ!」", "504000422_11": "「派手に、マスターの手元に――", "504000422_12": " 届けッ!!」", "504000422_13": "「また独りで戦おうとしたオレを引き留めた、おまえの心も……\\n 優しさもッ!」", "504000422_14": "「全て、叩き込むッ!!」", "504000422_15": "「――――ッ!!」", "504000422_16": "「……ッ」", "504000422_17": "「……あったかい……」", "504000422_18": "「降り積もた雪が、\\n 短い夏の陽に、溶けてくミタイに――」", "504000422_19": "「……アア、そうダ……\\n 覚えている……知ってたネ、わたし……」", "504000422_20": "「人は、悪イも、良イも、\\n 両方あっテ、振り子みたいに、ユラユラして――」", "504000422_21": "「…………」", "504000422_22": "「キャロル、わたし……」", "504000422_23": "「ギータ……」", "504000422_24": "「…………」", "504000422_25": "「思い出シタ……\\n みんなの言葉……祈り……」", "504000422_26": "「楽しかた……大人も子供も、\\n みんな笑顔だたヨ……」", "504000422_27": "「戻りたいネ。けど……戻れナイから、進むしかナイ、だね。\\n 山も、人も……」", "504000422_28": "「……ああ」", "504000422_29": "「おまえの怒りが、再び降り積もらぬよう……\\n オレは……」", "504000422_30": "「――ッ!?\\n ギータ……ッ!」", "504000422_31": "「……わたし、永い、永い間……\\n きっと、待っテタ」", "504000422_32": "「怒り、ずと持ってるノ、\\n つらいカラ……」", "504000422_33": "「あのトキのキャロルは、ずと、怖いカオしてて……", "504000422_34": " ……でも」", "504000422_35": "「……もう、ヒトリ違う、ね」", "504000422_36": "「なら――わたしとイッショ。\\n イパイの、人の想い、思い出した。近くに人の想い、あるカラ」", "504000422_37": "「……ああ」", "504000422_38": "「だカラ――\\n もう、大丈夫――」", "504000422_39": "「――ッ!」", "504000422_40": "「山に……\\n 陽の光が戻った……」", "504000422_41": "「あいつは……", "504000422_42": " そうか、この霊峰の意思そのものだったから……」", "504000422_43": "「…………」", "504000422_44": "「……おまえが再び、カタチなきものに戻ったとて。\\n オレは――」", "504000422_45": "「マスター……」" }