{ "504000311_0": "誰がために", "504000311_1": "「けど、間に合ってよかった」", "504000311_2": "「ああ。それにしても一方的にやられてるなんて、\\n どういう風の吹き回しだ?」", "504000311_3": "「――ッ!」", "504000311_4": "「また、おまえたちは……ッ!\\n どこまで首を突っ込めば気が済む……ッ!」", "504000311_5": "「これを見ても、\\n まだそんなことが言える?」", "504000311_6": "「――ッ!?」", "504000311_7": "「そ、それは……ッ!?」", "504000311_8": "「『サガルマータの魂』……ッ!\\n ど、どうしテ……ッ!?」", "504000311_9": "「そう、これはわたしたちの世界の\\n 『サガルマータの魂』……」", "504000311_10": "「わたしたちの世界の……\\n エルフナインから託されたものよ」", "504000311_11": "「――ッ」", "504000311_12": "「……2つの世界の出来事が、\\n どこまで同じだったのかはわからない」", "504000311_13": "「だけど、少なくともわたしたちの世界にも\\n ゴマ・タパの伝説は存在しているし……」", "504000311_14": "「『サガルマータの魂』に宿る想いもまた、\\n 存在している……」", "504000311_15": "「…………」", "504000311_16": "「おまえたちの世界で潰えた――\\n かつての『奇跡の殺戮者』が封じた、想い……」", "504000311_17": "「今のおまえになら……」", "504000311_18": "「その宝石に宿る『想い』を、\\n 解き放ち、扱うことができるんじゃないのか?」", "504000311_19": "「宝石に宿る、『想い』……」", "504000311_20": "「オレとは違う道を辿った――", "504000311_21": " 並行世界の、オレ自身の想いを……ッ!」", "504000311_22": "「キャロル、受け止めて……」", "504000311_23": "「『サガルマータの魂』が封じ込めていた想いは、\\n 闇の呪いなんかじゃない……」", "504000311_24": "「あれは、哀しみ……\\n 失われた、人々の心……」", "504000311_25": "「『キャロル』が……ボクたちがパパを亡くした時に、\\n 怒りに沈めてしまったものと、同じ……ッ!」", "504000311_26": "「だからこそ、キャロルは宝石を封じることができたッ!\\n 誰よりも、その悲しみを理解できたから……ッ!」", "504000311_27": "「――それを乗り越えたキミなら、できるはず。\\n もう一度、『サガルマータ』に……」", "504000311_28": "「心を……\\n 本当の想いを取り戻させることが――ッ!」", "504000311_29": "「…………」", "504000311_30": "「人々の、心……想い……」", "504000311_31": "「石が、もうヒトツ……?", "504000311_32": " ちがうヨ、石、わたし持てるッ!」", "504000311_33": "「そんなニセモノのチカラ、\\n わたし怖くないネッ!」", "504000311_34": "「――ッ!?」", "504000311_35": "「どして……\\n 攻撃、届かナイッ!?」", "504000311_36": "「…………」", "504000311_37": "「……まるで。\\n 長いこと、吹き付けるブリザードの中にいたようだ……」", "504000311_38": "「――その通りヨッ!\\n キャロル、ソノまま凍えて終わりヨッ!」", "504000311_39": "「…………傲慢にも」", "504000311_40": "「――ッ!?」", "504000311_41": "「かつて、人を判じようとしていたオレが\\n 未熟だったからこそ、ゴマ・タパは滅びた……」", "504000311_42": "「おまえを生み出してしまったオレには、\\n おまえを止める権利はないと思っていた……」", "504000311_43": "「だが……\\n おまえを生み出してしまったからこそ……ッ!」", "504000311_44": "「オレには、\\n おまえを止める責務があるんだッ!」", "504000311_45": "「――ッ!\\n コレは……錬金術……ッ!」", "504000311_46": "「見るがいい、ギータッ!\\n オレはもう迷わない」", "504000311_47": "「これが……『サガルマータの魂』に宿る、\\n 本当の想いのチカラだッ!」", "504000311_48": "「偉大な頂を想うが故の哀しみ――", "504000311_49": " そしてッ!!」", "504000311_50": "「――ッ!\\n ミカッ!!」", "504000311_51": "「感じるゾ……ッ!!\\n この世界じゃない、それでも、マスターの想いのカケラッ!」", "504000311_52": "「あ、あああ……ッ!」", "504000311_53": "「…………」", "504000311_54": "「……やるじゃないですか、ミカちゃん。\\n 褒めてあげましょうねぇ」", "504000311_55": "「うう〜……ッ!」", "504000311_56": "「感じる……\\n 霊石に宿る本来の力……」", "504000311_57": "「冴え冴えと冷たく、\\n それでもどこか、あたたかい……この想いは」", "504000311_58": "「これは……\\n あたしたちがマスターに向ける、敬畏にも似たモノ」", "504000311_59": "「……なので、マスターの1番であるあたしが纏うに、\\n 相応しいものってことですね☆」", "504000311_60": "「うう……我慢はしたケド、\\n ずるいんだゾーッ!」", "504000311_61": "「炎と土を冠する私たちよりかは、\\n おまえたちのほうが上手く扱えるだろう力――」", "504000311_62": "「解き放たれた力は、錬金術にて封じられていた。\\n 並行世界の……とはいえ、マスターの錬金術でな」", "504000311_63": "「ならば、私たちに馴染むのもまた道理ッ!!」", "504000311_64": "「……私たちの分まで、流れをそちらにくれてやったのだ。\\n 派手な活躍を期待するぞ」", "504000311_65": "「ええ……\\n 存分にッ!」", "504000311_66": "「ま、負けなイッ!\\n 人間たちナンかにッ!」", "504000311_67": "「ガルルルッ!」", "504000311_68": "「わたしたちも――ッ!」", "504000311_69": "「うんッ!」", "504000311_70": "「……いいや、手出しは不要だ」", "504000311_71": "「バ……ッ!", "504000311_72": " おまえ、まだそんなこと言って――」", "504000311_73": "「……違う。\\n そうではない」", "504000311_74": "「心配するな、と言ったんだ」", "504000311_75": "「――ッ!!」", "504000311_76": "「ギータ、お前の歪んだ魂は……", "504000311_77": " このオレが叩き直してやるッ!」" }