{
"503000211_0": "ヒマラヤの少女",
"503000211_1": "「それで、キャロルが行方不明というのは\\n どういうこと?」",
"503000211_2": "「あたしたちも、こいつらからその知らせを\\n 受けたとこなんだよ」",
"503000211_3": "「…………」",
"503000211_4": "「ここに至っては、\\n 単刀直入にお伺いいたしますわ」",
"503000211_5": "「皆様、『サガルマータの魂』という\\n 宝石をご存じかしら?」",
"503000211_6": "「――ッ!?」",
"503000211_7": "「知っているも何も、わたしたちがこの世界に来たのは、\\n まさにその宝石に関係しているんです」",
"503000211_8": "「エルフナインがその宝石を調査していたところ、\\n 怪物が現れて……」",
"503000211_9": "「エルフナイン自身も、\\n 精神的リンクと思しき症状で倒れてしまった――」",
"503000211_10": "「――ッ!」",
"503000211_11": "「その様子……こっちの情報も、\\n 詳細に共有した方がよさそうだな」",
"503000211_12": "「ああ、よろしく頼む」",
"503000211_13": "「……なるほどな」",
"503000211_14": "「やっぱり、マスターに何かあったんだゾッ!」",
"503000211_15": "「どういうことだ?」",
"503000211_16": "「このところマスターはずっと、\\n サガルマータの魂について調べてたの」",
"503000211_17": "「それこそ夜も眠らずに、\\n 時折、辛気臭い顔までしちゃって……」",
"503000211_18": "「あたしたちが手伝おうとしても、\\n ちっとも取り合ってくれなかったんだゾ……」",
"503000211_19": "「そしてとうとう、\\n マスターは姿を消してしまわれた……」",
"503000211_20": "「『決してオレのやることを詮索するな』\\n というメッセージを残して、ね」",
"503000211_21": "「決して詮索するな、か……」",
"503000211_22": "「あいつが何をしようとしていたのか、\\n 心当たりもないのか?」",
"503000211_23": "「存じません。マスターは、私どもには\\n 何も仰ってくれませんでしたし……」",
"503000211_24": "「じゃあやっぱり、手がかりは\\n 『サガルマータの魂』だけってことね」",
"503000211_25": "「なあ、ちょっといいか?」",
"503000211_26": "「なんだゾ?」",
"503000211_27": "「いやさ……こっちの世界には\\n おまえらの本丸があるはずだろ?」",
"503000211_28": "「なんでそっちに助けを求めないで、\\n こいつらに泣きついてきたんだ?」",
"503000211_29": "「それが……私たちも\\n 最初は局長に助けを求めたんだが……」",
"503000211_30": "「……悪いが、断らせてもらうよ。\\n 君たちへの協力はね」",
"503000211_31": "「はぁぁぁぁぁッ!?\\n ふざけてんのッ!?」",
"503000211_32": "「なぜです……ッ!?」",
"503000211_33": "「マスターが行方不明なんだゾ?\\n 1人でピンチになってるかもなんだゾッ!?」",
"503000211_34": "「マスターが仔細を語らないのは\\n 今に始まったことではないが……」",
"503000211_35": "「今回のマスターは思い詰めている様子だった」",
"503000211_36": "「…………」",
"503000211_37": "「詮索するなと言ったんだろう、キャロルが。\\n そうするべきだ。それならばね」",
"503000211_38": "「彼女自身の問題なのさ。\\n 今回の一件はね……」",
"503000211_39": "「マスター自身の、問題……?」",
"503000211_40": "「…………」",
"503000211_41": "「あの様子だと、局長は\\n 何かを知っていながら、あえて黙ってるのだろう」",
"503000211_42": "「だが、ここに協力を仰ぐと告げたときも、\\n それを止めようとはしなかった」",
"503000211_43": "「それって……」",
"503000211_44": "「……きっと、マスターのことも、\\n 私たちのことも尊重してくださった結果なのでしょう」",
"503000211_45": "「…………」",
"503000211_46": "「だからこそ、私たちもできることをしたいのです」",
"503000211_47": "「二課の皆様、\\n そして並行世界のシンフォギア装者たち――」",
"503000211_48": "「どうか、私たちへの協力を」",
"503000211_49": "「みなまで言うなってとこだな。\\n そのためにあたしたちも来たわけだしさ」",
"503000211_50": "「恩に着る」",
"503000211_51": "「じゃあ、作戦はどうする?\\n 頭数はいるし、二手にわかれるか?」",
"503000211_52": "「そうだな……まず、奏は自動人形たちと\\n キャロルくんの消息を追ってくれ」",
"503000211_53": "「了解だ」",
"503000211_54": "「でも、いいの?\\n 局長さんが見て見ぬフリをしてるのに……」",
"503000211_55": "「私たちが下手に首を突っ込んで、\\n 協会との関係にヒビが入ったりしないかしら?」",
"503000211_56": "「……彼は協力しないと言っただけで、\\n 協力するなとは言っていないわけだろう?」",
"503000211_57": "「それに、彼女たちの様子を見て、\\n このまま放っておくわけにもいくまい」",
"503000211_58": "「…………」",
"503000211_59": "「ま、それもそうね」",
"503000211_60": "「では、行動開始だな」",
"503000211_61": "「マリアくんたちには、件の『サガルマータの魂』の\\n 捜索と確保に当たってもらおう」",
"503000211_62": "「その宝石は今どこにあるんだ?\\n 目星はついてんのか?」",
"503000211_63": "「その情報でしたら、こちらに」",
"503000211_64": "「おそらくは、ヒマラヤ……\\n エベレストの頂上だと思われます」",
"503000211_65": "「なるほどな、こっちの世界でも\\n そこになるわけか……」",
"503000211_66": "「まあでも、テレポートジェムがあるなら\\n なんとかなる……か?」",
"503000211_67": "「ヒマラヤ行きのものくらいあるんだろうし」",
"503000211_68": "「錬金術師協会の協力が得られない以上、\\n テレポートジェムは使えないわね」",
"503000211_69": "「その通りだゾ……\\n テレポートジェム、余分には預かってきてないゾ……」",
"503000211_70": "「へ……? ちょ、ちょっと待てよ。\\n じゃあ、どうやって行けって?」",
"503000211_71": "「…………まさか」",
"503000211_72": "「わ、わたしたちが自力で\\n エベレストを登山する……とか?」",
"503000211_73": "「そうねぇ。\\n それが1番手っ取り早いかも?」",
"503000211_74": "「大丈夫、ギアがあるんだもの。\\n なんとかなるわよ☆」",
"503000211_75": "(本気の笑顔だ……ッ!!)"
}