{ "502000821_0": "「情、動……?\\n どういうことだ?」", "502000821_1": "「要は、退屈凌ぎだよ。\\n こいつのしでかすことは、結局それが根っこにあるんだよ」", "502000821_2": "「そのような酔狂な理由で、\\n これ以上何をしようと言うのですッ!?」", "502000821_3": "「そう言われると、元も子もないんだけどね。\\n そう邪険にしないでくれないか」", "502000821_4": "「どうして……、アレクシスさんは、\\n そんなことを繰り返すんですか?」", "502000821_5": "「それが私という存在だから。\\n ……という答えでは、簡単すぎるかな?」", "502000821_6": "「当たり前だッ!\\n そんな与太で納得できるかよッ!」", "502000821_7": "「何を話しても納得してもらえない気はするけど。\\n 強いて言うなら、私のコレは……無限の命が根底にあるんだよね」", "502000821_8": "「無限の、命……」", "502000821_9": "「そう。無限の命なんてものを持っているとね、\\n 物事に価値を見出すのが難しくなってしまうんだよ」", "502000821_10": "「そうそう、こんな言葉があるよね。\\n ――退屈は神をも殺す」", "502000821_11": "「いや、神を騙るつもりなんてないんだけどね?\\n なかなかどうして、これは至言だと思うのさ」", "502000821_12": "「退屈というのは心を、ひいては――命をすり減らす。\\n それは神だろうが人だろうが、私だろうが同じことさ!」", "502000821_13": "「無限の命を持つ私が退屈に殺されるかどうかはさておき、\\n 退屈は、誰だって嫌だよねぇ?」", "502000821_14": "「だから、\\n 私は自分の心を動かし続けたいんだ」", "502000821_15": "「ただ漫然と存在することを生きているとは言わない。\\n 私は、生きている実感が欲しいのさ」", "502000821_16": "「そう、だったんですか……」", "502000821_17": "「――なんて、それらしいことを言ったら、\\n 納得してくれるかな?」", "502000821_18": "「――ッ!?」", "502000821_19": "「うそだろッ!?\\n 今のそれも法螺なのかよッ!?」", "502000821_20": "「……いや……。\\n まるっきり嘘であるとは、私には思えない」", "502000821_21": "「……わたしもです。\\n 何から何まで本当じゃないのかもしれない。だけど――」", "502000821_22": "「アレクシスさんにとって、それは譲れないことなんだって、\\n そう感じました」", "502000821_23": "「わたしは、アレクシスさんが抱えている虚しさはわかりません。\\n だけど、ほんのちょっとだけ……わかった気がするんです」", "502000821_24": "「…………おや」", "502000821_25": "「アレクシスさん。\\n あなたは――死にたくないんじゃ、ないですか?」", "502000821_26": "「――――。\\n 死にたくない? 私が?」", "502000821_27": "「死なないのに、かい?」", "502000821_28": "「……はい。", "502000821_29": " 退屈は、心を殺す――」", "502000821_30": "「だから……アレクシスさんはもしかしたら、\\n 誰よりも、生きたいんじゃないかって」", "502000821_31": "「だけど……たとえ、何が理由だったとしても。\\n 何が、あなたの根底にあったとしても――」", "502000821_32": "「ああ。\\n 虚無を理由に、人の心を弄んでいいということにはならない」", "502000821_33": "「それでも、アレクシスさんの心が、\\n 『情動』を求めているというのなら――」", "502000821_34": "「わたしは、わたしたちは……\\n アレクシスさんに、それを見せることができるッ!」", "502000821_35": "「この胸の歌を、人の想いを……\\n 命の輝きをッ!!」", "502000821_36": "「ああ。\\n 私も同じ気持ちだ」", "502000821_37": "「アレクシス・ケリヴ。\\n 君とは時に敵対し、時に肩を並べて戦った」", "502000821_38": "「その過程で、私は確かに、\\n 無限の命を持つ君の中で起こった変化を感じた」", "502000821_39": "「それは、同時に私にも変化をもたらしたのだ」", "502000821_40": "「ほう?」", "502000821_41": "「それはきっと、ここにいるシンフォギア装者たち……\\n そして、かつて私と一緒に戦ってくれた『彼ら』から学んだもの」", "502000821_42": "「悪を許さない。そこまでで、終わらせるわけにはいかないのだ。\\n その更に先へ、手を伸ばすこと――」", "502000821_43": "「それこそが、私が差し伸べるべき救済なのだとッ!!」", "502000821_44": "「今こうして向かい合うことが君の救いとなり、\\n 君の変化へ繋がるかもしれないのなら――」", "502000821_45": "「わたしと、グリッドマンがッ!!」", "502000821_46": "「相手になります、アレクシスさんッ!」\\n「相手になろう、アレクシス・ケリヴ!」", "502000821_47": "「…………クッ」", "502000821_48": "「お?」", "502000821_49": "「……クックックック……\\n フフフ……!」", "502000821_50": "「ハーッハッハッハ!!」", "502000821_51": "「…………」", "502000821_52": "「いやぁ、良いね良いね。実にいい。\\n 死にたくないと、そうきたか……これは一本取られたなあ」", "502000821_53": "「ならば……\\n こんなにも良いお手本が目の前にこれだけいるんだ!」", "502000821_54": "「私も――私の停滞を打ち破るために、\\n 本気で! 君たちに挑んでみるとしよう!」", "502000821_55": "「さあ……私を救けてもらおうじゃないか!\\n グリッドマン! そして、響くんッッ!!!」", "502000821_56": "「アレクシス・ケリヴが……!」", "502000821_57": "「変化していくッ!?」", "502000821_58": "「細なっがいナリから、\\n 随分とゴリラになったじゃねえか……ッ!」", "502000821_59": "「あれは……まさか、\\n さきほど立花のお父上が変化していた姿……ッ!?」", "502000821_60": "「『怪獣』に必要な悲哀は、彼の要素で十分だろう?\\n だが、何か気づかないかな?」", "502000821_61": "「あの拳……\\n まさか、わたしのッ!?」", "502000821_62": "「ピンポーン! 大正解!!」", "502000821_63": "「私も、未来の自分の変化とやらに期待して、\\n いろいろな可能性を取り込んでみたよ」", "502000821_64": "「この姿は、そうだなぁ……\\n グリッドマン、君が『そう』成ったのにもあやかって――」", "502000821_65": "「アレクシス・ユニバース形態、\\n ――とでも名乗ろうか。ハハハハハーッ!」" }