{ "502000521_0": "「君は……\\n ……誰だったかな?」", "502000521_1": "「誰……だと?」", "502000521_2": "「お前は……ッ!\\n お前は、どこまで人をコケにすれば……ッ!!」", "502000521_3": "「いや、響くんのお父さんであることはわかっているんだよ。\\n 私も面識があるからね」", "502000521_4": "「でも、君は別人だろう?\\n 多元宇宙、あるいは並行世界の可能性の同一人物……」", "502000521_5": "「だけど、だからこそ覚えがないんだよねぇ。\\n そんな風に強い怒りを向けられる理由に」", "502000521_6": "「俺の怒りの理由がわからないだと……ッ!?\\n お前ぇ……ッ!!」", "502000521_7": "「お、お父さん……ッ!」", "502000521_8": "「下がってろ、響ッ! こいつを信用しちゃいけないッ!!\\n こいつは……危険だッ!」", "502000521_9": "「それについちゃ同感だけどよ。\\n 何がどうなってんだ?」", "502000521_10": "「言葉からすると、\\n 面識、あるいは因縁があるようだが……」", "502000521_11": "「どうなの、そのへん?」", "502000521_12": "「うーん? どうだろうねぇ。顔を見ても思い出せないとなると、\\n そう大した間柄でもないんじゃないかな?」", "502000521_13": "「む、向こうはそうでもないらしい」", "502000521_14": "「大したことがない、だと……?\\n あれだけのことをしておいて、お前は――ッ!!」", "502000521_15": "「随分恨まれてるみたいだけど、悪いねぇ。\\n 生憎だが記憶喪失の身の上で、覚えがないんだよ」", "502000521_16": "「私と君との間に何があったかは知らないが、\\n ここはお互い、水に流そうじゃないか。ハッハッハッ」", "502000521_17": "「…………ッ!」", "502000521_18": "「記憶喪失?\\n そんな嘘で油断させて、娘を利用するつもりかッ!」", "502000521_19": "「お前をこれ以上、\\n 俺の家族に近づけさせはしないッ!!」", "502000521_20": "「……おや?\\n この気配は……」", "502000521_21": "「な、何……ッ!?」", "502000521_22": "「か、怪獣か」", "502000521_23": "「――ッ!?\\n なんて数だよッ!?」", "502000521_24": "「これは……少々厄介ですね。\\n あの数の猛攻、シェルターでも耐えられるかどうか」", "502000521_25": "「だったら――\\n 倒すまでだッ!」", "502000521_26": "「俺らもお仕事するとしますかね」", "502000521_27": "「アクセスコード・スカイヴィッター!」", "502000521_28": "「アクセスコード・バスターボラー!」", "502000521_29": "「我々も行くぞッ!」", "502000521_30": "「おうッ!」", "502000521_31": "「アクセス・フラッシュッ!」", "502000521_32": "「わ、わたしもッ!」", "502000521_33": "「待ってくれ、響ッ!」", "502000521_34": "「お、お父さん……ッ!?」", "502000521_35": "「行かせないッ!\\n 響はここから逃げるんだッ!」", "502000521_36": "「で、でも、\\n わたしが戦わなきゃ街の人が……ッ!」", "502000521_37": "「そんな必要はないッ!\\n もう十分、響は辛い目に遭ったじゃないかッ!」", "502000521_38": "「これ以上、お前が辛い目に遭うことはないんだッ!」", "502000521_39": "「…………ッ!」", "502000521_40": "(このお父さんが見てるのは、わたしじゃない、\\n 別の『響』だ……。でも――)", "502000521_41": "(もし、あの時……。わたしや家族が辛かった時、\\n お父さんがそばにいてくれたら……)", "502000521_42": "(こんな風に、言ってくれたのかな……?)", "502000521_43": "「行かないでくれ、響ッ!」", "502000521_44": "(お父さんは、わたしを護ろうとしてくれてるんだ……。\\n でも……わたしはこの手を振りほどかなきゃいけない)", "502000521_45": "(いけないのに……ッ)" }