{ "392000131_0": "「APPLEが遭難を……?」", "392000131_1": "「ええ、エアーキャリアーにちょっとした不具合が起きたの。\\n それで、やむなく不時着することになったのだけれど……」", "392000131_2": "「不時着できた並行世界の座標は、\\n 絶海の孤島のような場所で……」", "392000131_3": "「負傷者もいるため身動きが取れず、\\n こちらの世界に救援を求めに来たということか」", "392000131_4": "「ええ」", "392000131_5": "(……まあ、運悪くとは言いつつも、\\n ここに助けを求められる地点だったのは幸いか)", "392000131_6": "(『デュプリケイターフェイク』の起動条件……\\n ナツミたちが研究中に報告してくれたことは、まだ共有できない)", "392000131_7": "「ふむ……なるほど、事情はだいたいわかった。\\n そういうことであれば、装者の出動を許可しよう」", "392000131_8": "「……ッ!", "392000131_9": " 恩に着るわッ!」", "392000131_10": "「ただ、生憎今は大半の装者が出払っていてな。\\n すぐに動ける装者が切歌くんしか……」", "392000131_11": "「でしたら、わたしが行きますッ!」", "392000131_12": "「――ッ!?」", "392000131_13": "「でもデスね、\\n セレナがここから更に別の並行世界に行くとなると……」", "392000131_14": "「大丈夫です。\\n ちゃんとマムに許可はもらってきますからッ!」", "392000131_15": "「並行世界を越えて救援を求めるような事態なんですよね?\\n だったら、戦える人間が多い方がいいはずですッ!」", "392000131_16": "「すぐ戻ってきますから。\\n マリアさん、待っててくださいねッ!」", "392000131_17": "「あ、ちょっと待――ッ!」", "392000131_18": "「って、行っちゃったデス……」", "392000131_19": "「……並行世界の同一人物とはいえ、\\n 『姉』のピンチには居ても立ってもいられないか」", "392000131_20": "「……ありがとう、セレナ……。", "392000131_21": " ううん、これは後で直接言わなきゃね」", "392000131_22": "「そうデスねッ!」", "392000131_23": "「……それで、アタシは何をすればいいデスか?」", "392000131_24": "「怪我してる人たちをエアーキャリアーまで\\n 運ぶだけ……じゃないデスよね?」", "392000131_25": "「ええ、……不時着した島には、\\n 放棄された古い研究所のようなものがあって……」", "392000131_26": "「そこで食料や水を探しているうちに、", "392000131_27": " ……襲われてしまったのよ」", "392000131_28": "「脅威の出現ということか……。\\n ギャラルホルンのアラートは鳴ってないが……」", "392000131_29": "「つまりその相手というのは、\\n ノイズやアルカ・ノイズではないということだな?」", "392000131_30": "「え、ええ……」", "392000131_31": "「……歯切れが悪いな。だが、必要な情報だ、教えてくれ。\\n APPLEはいったい何に襲われたんだ?」", "392000131_32": "「リトル・マリアが口ごもるほどの相手……\\n これは恐ろしいデスよッ!」", "392000131_33": "「地底からやってきた爬虫人類とか……", "392000131_34": " それとも、地球侵略をもくろむ悪の異星人ッ!?」", "392000131_35": "「けど、安心するデスよッ!\\n アタシが行くからには力になるデスからッ!」", "392000131_36": "「……ありがとう」", "392000131_37": "「爬虫人類、異星人……そのどちらでもないわ。\\n その研究所に住み着いていたのは……」", "392000131_38": "「…………」", "392000131_39": "「昆虫の群れだったの」", "392000131_40": "「コンチュ、ウ……?\\n それはつまり……虫、ってことデスか……?」" }