{
"391000922_0": "「この想い、\\n 必ず届けてみせるからッ!」",
"391000922_1": "「撃ち抜くんだッ!\\n 揺るがない、最速の1歩で――ッ!!」",
"391000922_2": "「アァアアアアアアアア――……ッ!!」",
"391000922_3": "「ギンの……いいえ、",
"391000922_4": " ギンヌンガガプの身体が、崩れて……ッ!」",
"391000922_5": "「対岸にかかる橋を作り上げていく……ッ!?」",
"391000922_6": "「ギンくんは――ッ!?」",
"391000922_7": "「いたッ!",
"391000922_8": " あそこ――ッ!」",
"391000922_9": "「わたしたちもッ!」",
"391000922_10": "「はいッ!」",
"391000922_11": "「ギンッ!\\n ギンッ! 返事してッ!」",
"391000922_12": "「……。\\n …………」",
"391000922_13": "「ギンくん、怪我はッ!?\\n 大丈夫ッ!?」",
"391000922_14": "「ぼくは……\\n 負けたんだね……」",
"391000922_15": "「……うん」",
"391000922_16": "「ふ……フフ、ハハハッ!\\n アハハハハハハッ!」",
"391000922_17": "「ぎ、ギン……?」",
"391000922_18": "「なんて顔してるのさ、\\n お姉ちゃんたち」",
"391000922_19": "「もう……どうせ負かすなら、徹底的に斃してよ……。\\n 本来なら、ぼくの血肉で、世界の隔たりを埋めるはずなのに……」",
"391000922_20": "「それが……『神話』に描かれる、\\n 『ギンヌンガガプ』の最期なのに……」",
"391000922_21": "「それで、『主人公』たちの凱旋で……\\n この物語の幕が降りるはずだったのに……」",
"391000922_22": "「中途半端にぼくを残したりするから、\\n こんな、カッコ悪い橋しかできなかったじゃないか……」",
"391000922_23": "「……カッコ悪くなんて、ないよ」",
"391000922_24": "「――……」",
"391000922_25": "「……この橋も、長くは保たないから。\\n せめて、橋のカタチをしている間に、向こう岸に渡っちゃってよ」",
"391000922_26": "「そうすれば、\\n ここに来る前にいた世界に、戻れるはずだから……」",
"391000922_27": "「『誰か』と触れることで、知ることで、想うことで、\\n 世界はいくらでも拡がっていく――」",
"391000922_28": "「そう教えてくれたお姉ちゃんたちが、\\n いつまでも、こんな閉じた世界にいちゃいけないよ……」",
"391000922_29": "「……ほら、もう橋が崩れ始める。\\n 走り出したら、振り返らずに行くんだ。約束だよ」",
"391000922_30": "「ギンッ!\\n あなたも一緒に――ッ!」",
"391000922_31": "「……一緒には行けない。\\n ぼくはそういう存在だから」",
"391000922_32": "「あ……ッ!\\n 橋の根元が、崩れて……ッ!」",
"391000922_33": "「これじゃあ、\\n ギンくんに手が届かない……ッ!」",
"391000922_34": "「諦めの悪いお姉ちゃんたちに、\\n 1つだけ、いいかな……?」",
"391000922_35": "「……え?」",
"391000922_36": "「ぼくは、負けるために戦ったんだ。\\n お姉ちゃんたちを、帰るべき場所に帰すために戦ったんだ……」",
"391000922_37": "「そのためなら、ぼくは消えても、悔いはない。\\n ううん、消えなきゃいけないって思ってたんだ……」",
"391000922_38": "「でも、今こうして、\\n 無様に、消えずに残っている……」",
"391000922_39": "「ぼくは、『敵対者』として、\\n 果たすべき『役割』を全うできなかった……」",
"391000922_40": "「それは、とても悔しいこと。\\n そのはず、なのに……」",
"391000922_41": "「……どうしてかな」",
"391000922_42": "「ぼくは今、\\n すごく、嬉しいんだ」",
"391000922_43": "「だって、\\n お姉ちゃんたちの顔を、また、見られたから……」",
"391000922_44": "「ギンッ!」",
"391000922_45": "「ありがとう、『 』――」",
"391000922_46": "「ううん。違うね、そうじゃ、ない……\\n ぼくが、この想いを、伝えたいのは……」",
"391000922_47": "「……ヒビキ、ミク、マリア」",
"391000922_48": "「ありがとう。",
"391000922_49": " 『ぼく』を、倒してくれて」"
}