{ "391000912_0": "「く――ッ!?」", "391000912_1": "「ギンッ!\\n 聞いて、わたしたちの話を――ッ!」", "391000912_2": "「ギンッ!\\n あなたが『敵』だなんて、信じないわッ!」", "391000912_3": "「お願い――ッ!\\n 止まって、ギンくんッ!」", "391000912_4": "「ぐぁッ!?」", "391000912_5": "「ヒビキ、大丈夫ッ!?」", "391000912_6": "「避けなさいッ!!\\n 上から――ッ!」", "391000912_7": "「……くッ、間に合うかッ!?", "391000912_8": " いや――間に合わせるッ!!」", "391000912_9": "「うあああぁ……ッ!」", "391000912_10": "「そんな、マリアさんッ!?\\n わたしたちを庇って……ッ!」", "391000912_11": "「ギンッ!\\n もうやめて、こんなこと――ッ!」", "391000912_12": "「……間違えないで、ぼくの名前は『ギンヌンガガプ』。\\n 『ギン』なんて……いなかったんだよ」", "391000912_13": "「そんな名前、\\n いくら呼んでも、意味なんてない――」", "391000912_14": "「違うッ!\\n ギンはギンだッ!」", "391000912_15": "「ほんの少しの間だったけど――\\n ギンは、確かにわたしたちと一緒にいたッ!」", "391000912_16": "「そうだよッ!\\n ギンくんがいなかったなんて……嘘だッ!」", "391000912_17": "「ギンくんはここに――\\n 確かに、わたしたちの胸の中にいるッ!」", "391000912_18": "「……フフ」", "391000912_19": "「お互いがお互いに『ひびき』と『みく』の役割を\\n 押し付けあっていた君たちが……それを言うのか」", "391000912_20": "「――ッ!」", "391000912_21": "「迷子になって立ち竦む幼子より、\\n よほど滑稽だったよ」", "391000912_22": "「……そうだね。\\n 確かに、ギンの言う通りだ」", "391000912_23": "「わたしだって、本当はわかっていたんだ。\\n ここにいる未来が、わたしの未来ではないってことを」", "391000912_24": "「それなのに、わたしの弱さが、\\n 未来に、わたしの未来を押しつけた……」", "391000912_25": "「……ヒビキ、\\n わたしも同じだよ」", "391000912_26": "「わたしも、ヒビキに響を押しつけた。\\n ヒビキと響は違うのに……」", "391000912_27": "「そんなわたしたちに、\\n ギンはギンだって言う資格はないかもしれない。でも――」", "391000912_28": "「それでもッ!\\n ギンはギンだッ!」", "391000912_29": "「随分と……自分勝手な言い分だね?」", "391000912_30": "「そうだよッ! 勝手だよッ!\\n けど……ッ!」", "391000912_31": "「ギンが、立ち止まって出した答えは無駄じゃないって、\\n わたしに教えてくれたんじゃないかッ!!」", "391000912_32": "「――ッ!?」", "391000912_33": "「想いを貫いて戦う姿がカッコイイって、\\n 言ってくれたんじゃないかッ!」", "391000912_34": "「相変わらず、わたしにはコレがカッコイイだなんて思えない。\\n わたしのこれは、我儘なんだからッ!」", "391000912_35": "「でも……ッ!\\n その先に、ギンが救かる道があるって信じてるッ!!」", "391000912_36": "「そう、わたしたちは勝手に望んでるだけ……ッ!\\n ギンくんは、ギンくんだって……」", "391000912_37": "「その先で、笑っていてほしいって、想ってる……ッ!!」", "391000912_38": "「だからわたしたちは、\\n この想いを、貫くんだぁぁぁあッ!!」" }