{ "391000411_0": "『望み』", "391000411_1": "「それでそれでッ!?\\n 他には、どんな敵がいたのッ!?」", "391000411_2": "「他にはって……、\\n もう、ほとんど喋り尽くしてしまったわ」", "391000411_3": "「ですね。\\n ギンくん、次々と聞いてくるから……」", "391000411_4": "「わたしはもう打ち止めかも。\\n あなたは?」", "391000411_5": "「わ、わたし?\\n わたしは、面白く話せるようなことは、何も……」", "391000411_6": "「えーッ!?\\n ヒビキお姉ちゃんが戦った敵の話、聞きたいなーッ!」", "391000411_7": "(うッ!?\\n このキラキラした目で見られると……弱い)", "391000411_8": "「ええっと……\\n うーん、それじゃあ……」", "391000411_9": "「うんうんッ!」", "391000411_10": "「わたしが過去に戦った敵……。", "391000411_11": " うん、嫌でも頭に残っているのは――」", "391000411_12": "「やっぱり……、\\n 暴走状態のスサノオ」", "391000411_13": "「炎の中に立つあいつの姿……\\n 今でも、よく覚えてる」", "391000411_14": "「……ヒビキお姉ちゃん、悲しそうだよ。\\n そいつのこと、嫌いなんだね」", "391000411_15": "「嫌い……とは、少し違うかな」", "391000411_16": "「あのときは、\\n あいつを殺すこと以外、何も考えられなかったから」", "391000411_17": "「未来を喪って、\\n また、ひとりぼっちになったと思って……」", "391000411_18": "「そんなこと、ない」", "391000411_19": "「……未来?」", "391000411_20": "「そんなことないよ、ヒビキ」", "391000411_21": "「わたしは、\\n 絶対にあなたをひとりぼっちになんてしないから」", "391000411_22": "「たとえ、\\n 何があろうとも……絶対に」", "391000411_23": "「未来……」", "391000411_24": "(うん、今ならわかるよ)", "391000411_25": "(でも、あのときのわたしは、\\n 本当にひとりぼっちになったと思ってしまったんだ……)", "391000411_26": "(テスラのおかげでどうにかなったけれど、", "391000411_27": " あのままだったら……わたしの陽だまりは――)", "391000411_28": "「あ……ああッ!?」", "391000411_29": "「どうしたのッ!?」", "391000411_30": "「向こうに、あの怖いのがッ!?", "391000411_31": " ……あれ? でも、さっきと形が違うよ?」", "391000411_32": "「まるで、マリアお姉ちゃんが話してくれた、\\n 『れーべんがー』みたいな……?」", "391000411_33": "「あれは……\\n レーベンガーとスサノオッ!?」", "391000411_34": "「どうして、こんな場所にッ!?\\n スサノオだって、最早わたしたちと戦う理由なんて無いはずッ!」", "391000411_35": "「でも、襲いかかってきますッ!\\n ギンくん――離れていてッ!」", "391000411_36": "「う、うんッ!」" }