{ "391000111_0": "『prologue』", "391000111_1": "むかしむかし、遥けき遠し古の時代――。", "391000111_2": "そこには、虚無が在りました。", "391000111_3": "その時には、星も空もなく、■も人もなく。", "391000111_4": "木々も、獣すらも、生まれていませんでした。", "391000111_5": "ただ、奈落だけが、", "391000111_6": "ぽっかりと口を開けていて……", "391000111_7": "世界には、", "391000111_8": "ひたすらに大きな隔たりの岸があったのです――。", "391000111_9": "(ン、ンん……。\\n いつの間にか寝ちゃってたみたいだ……)", "391000111_10": "「さむ……」", "391000111_11": "(ここ、どこだろう。\\n 遺跡……?)", "391000111_12": "(わたし、どうしてここにいるんだっけ……?)", "391000111_13": "(誰かに呼ばれたような気がして、\\n その想いを頼りに、エレクライトで並行世界を渡って……)", "391000111_14": "(……そこからの記憶が曖昧だ。", "391000111_15": " でも……)", "391000111_16": "「……どこだって構わないよね。\\n わたしは、わたしにできることをするだけ」", "391000111_17": "「困っている誰かに、\\n 手を伸ばし続けるって、決めたんだから」", "391000111_18": "(それは、わたしのやりたいこと。\\n ううん、やるべき贖罪)", "391000111_19": "(……この旅は、いつまで続くんだろう。\\n いつか、終わる日が来るのかな……?)", "391000111_20": "(本当に、来るのかな。\\n わたしの陽だまりに帰れる日が……)", "391000111_21": "(…………)", "391000111_22": "(……駄目だ。\\n そんなことを考えちゃ)", "391000111_23": "(やり遂げるって決めたのは、\\n わたし自身なんだから……)", "391000111_24": "(でも、それでも……)", "391000111_25": "「会いたいな、未来に……」", "391000111_26": "「……ん。\\n これ、雨の音だと思ってたけど……」", "391000111_27": "「雨の音じゃ、ない……?\\n 奥の方から聞こえてくるような……」", "391000111_28": "(……気になる。\\n 少し、調べてみよう)", "391000111_29": "(――違う。\\n 雨の音じゃない)", "391000111_30": "(これは……\\n 拍手の音だッ!)", "391000111_31": "(人の気配はないのに、\\n 拍手の音だけが、奥から聞こえてくる……)", "391000111_32": "「ここが……1番奥?」", "391000111_33": "(やっぱり誰もいない。\\n 音は聞こえるのに……)", "391000111_34": "「……ん?」", "391000111_35": "「本……?\\n こんなところに……?」", "391000111_36": "(しかも……、\\n この本から、拍手の音が聞こえてくるような……)", "391000111_37": "「それに触らないでッ!」", "391000111_38": "「――ッ!?」", "391000111_39": "「未来ッ!?」", "391000111_40": "「響ッ!?」", "391000111_41": "「あなた、どうしてここに――ッ!?」", "391000111_42": "「――えッ!?\\n 本から光がッ!?」", "391000111_43": "「うわあああぁぁぁ――ッ!?」", "391000111_44": "「響ッ!」", "391000111_45": "「この光、いったい――ッ!?」", "391000111_46": "「急に装者たちの反応が消えたぞッ!?\\n どこに行ったんだッ!?」", "391000111_47": "「わかりませんッ!\\n この先は、行き止まりのはずなのに――」", "391000111_48": "――そして、今。", "391000111_49": "3つの光によって、", "391000111_50": "世界は、開かれようとしているのです――。" }