{ "390000122_0": "「……いいね、キミたち。\\n 流石の戦闘能力だ」", "390000122_1": "「フフフン♪\\n これくらい当然だゾッ!」", "390000122_2": "「うん。\\n 素直でいいね、キミは」", "390000122_3": "「いったいどういうつもりなんだ。\\n こんなところまで来て戦うなんて」", "390000122_4": "「マスターの言う通りだ。\\n 目的を聞かせてもらおうか」", "390000122_5": "「話しただろう電話口で、さっき。\\n 頼みたいだけだよ、任務を」", "390000122_6": "「まだ受けるとは言ってないんだけど」", "390000122_7": "「困ったものだね、\\n 反抗的な子たちには」", "390000122_8": "「だが、せっかくここまで来たのだから、\\n させてもらおうか、話くらいは」", "390000122_9": "「はぁ……", "390000122_10": " とっとと話せ。そして帰れ」", "390000122_11": "「やらかしたんだよ、『はぐれ』の錬金術師……", "390000122_12": " 『イル美ナティ』たちがね」", "390000122_13": "「イル……なんだって?」", "390000122_14": "「聞いたことないゾ」", "390000122_15": "「錬金術師さ。\\n 研究をしていたんだ、不老不死を理想としてね」", "390000122_16": "「だが流出してしまった、外部に。\\n 彼らの研究成果であるエリクサーがね」", "390000122_17": "「エリクサーだと……ッ!?", "390000122_18": " バカな、あれは錬金術における1つの到達点だぞッ!」", "390000122_19": "「各々の研鑽を過小評価するつもりはないが……\\n それは、本当に完成しているのか……?」", "390000122_20": "「いいや、未完成さ。\\n 残念なことにね」", "390000122_21": "「不良品が世に放たれてしまった。\\n 僕が問題視しているのは、そこだよ」", "390000122_22": "「どうにかしてほしいのさ。\\n 固着してしまう前にね。不良品のエリクサーの被害が」", "390000122_23": "「エリクサー……賢者の石と同一の物を目指したのだとすれば、\\n その効果は不老不死、真理へと至るための霊薬……」", "390000122_24": "「その『不良品』だと……ッ!?」", "390000122_25": "「しかし、不老不死であれば派手に結果が出ているはずでは?\\n それを新たに研究する必要があったと?」", "390000122_26": "「確かに……\\n 言われてみればそうですわね」", "390000122_27": "「サンジェルマンたちのことだね?」", "390000122_28": "「しかし、追い求めずにいられないものなのさ。\\n 理想、憧れといったものはね」", "390000122_29": "「だが、それは一介の錬金術師が\\n 容易く手出しできる領域ではない……」", "390000122_30": "「なるほど。\\n それ故の『失敗作』だと」", "390000122_31": "「わかってもらえただろうか、事情は。\\n 受けてもらえるかい? この仕事を」", "390000122_32": "「…………」" }