{ "389000621_0": "「2人とも、わたしが意識を失っている間に何があったのか……\\n もう少しばかり、詳しく教えてもらえるか?」", "389000621_1": "「はい。\\n まず、本部との通信は今も途絶えたままです」", "389000621_2": "「こちらからの定時連絡がない以上、\\n 向こうも異変には気付いていると思いますが……」", "389000621_3": "「船内での通信は問題なく、外部との連絡が遮断、か。\\n 恐らく、応援も見込めないと考えたほうがいいだろうな」", "389000621_4": "「はい。わたしたちだけで、\\n この事態をなんとかしなければならないと思います」", "389000621_5": "「ふぐぐ……元より覚悟の上デスが、\\n いざとなるとみんなのサポートが恋しいデス」", "389000621_6": "「違いない。", "389000621_7": " それで、ゲオルクとニケはどうなった?」", "389000621_8": "「言った通りデスね……実はアタシたちも気絶していて、\\n 気が付いたときには、ゲオルクの姿も、ニケも……」", "389000621_9": "「どういうことだ?\\n 3人ともみな倒れていたというのに……」", "389000621_10": "「ゲオルクは我々にトドメも刺さずに、\\n ニケを連れて姿を消したというのか……?」", "389000621_11": "「それは……わたしたちにもわかりません。\\n でも、状況証拠と、わたしの中の想いがそう告げている……」", "389000621_12": "「デスデス。ニケさんはまだ大丈夫な気がするデス。", "389000621_13": " 安心安全とは言えないデスが……」", "389000621_14": "「どうしてそう思う?」", "389000621_15": "「ンン、うまく説明できる自信はないデスけど……」", "389000621_16": "「この上――船の甲板のほうから、\\n 何か……大きな力のようなものを感じるデスよ」", "389000621_17": "「その力、わたしも感じています」", "389000621_18": "「このギアと同じような力……もしかしたら、ニケの……\\n 戦女神の力なのかもしれません」", "389000621_19": "「戦女神の力、か。\\n ではやはり、2人のそのギアは……」", "389000621_20": "「はいデスッ!\\n ニケさんがアタシたちに力を貸してくれたデスよッ!」", "389000621_21": "「わたしたちに、護るための力を預けてくれた。\\n だからこそ、わたしたちはニケを救けたい……ッ!」", "389000621_22": "「そうか……。\\n 彼女はわたしたちを、護ってくれていたのだな」", "389000621_23": "「だからこそ我々は、聖遺物の力の発現を前にしても、\\n 無事でいられることができた」", "389000621_24": "「はい。そして……もしかしたら、そのせいで消耗して、\\n ゲオルクに抵抗しきれなかったのかもしれない」", "389000621_25": "(先程の光……。\\n あのぬくもりと、輝きもまた、きっと――)", "389000621_26": "「『黒い球』ッ!?", "389000621_27": " ――じゃなくて、リプリート・アルカ・ノイズ……ッ!」", "389000621_28": "「まだ、こちらの動きを抑えるつもりは\\n あるということか……ッ!」", "389000621_29": "「そこを退くデスよッ!\\n アタシたちにトドメなんて刺せると思うなデスッ!」", "389000621_30": "「降りかかる火の粉は払うまでッ!\\n 2人とも、準備はいいな!」" }