{ "389000422_0": "「これで『穴』は全部消えたデスね」", "389000422_1": "「うん、『黒い球』だね」", "389000422_2": "「あの者……ゲオルクとやらは、\\n 『リプリート・アルカ・ノイズ』と呼んでいたな」", "389000422_3": "「リプリート……完全なる、か」", "389000422_4": "「……」", "389000422_5": "「ところで2人とも、そのギアなのだが――」", "389000422_6": "「……多分デスが、\\n これはニケさんが力を貸してくれたのデス」", "389000422_7": "「ニケ……さん?\\n 『サモトラケのニケ』のことか?」", "389000422_8": "「はい。わたしもそう感じていて……\\n さっきの人の反応で、確信できました」", "389000422_9": "「……詳しく聞こう。\\n 奴らを追いながらな」", "389000422_10": "「なるほど……。\\n 先程、月読たちが窮地に陥ったときに――」", "389000422_11": "「切ちゃんとわたしは2人で一翼。\\n そう考えたら、急に貨物室のほうから力が届いて……」", "389000422_12": "「ぶわわわわーッ!", "389000422_13": " ……と、こんな感じになってたのデスよ」", "389000422_14": "「ニケの力なのかどうか、\\n 本当に感覚でしかないんですけど……」", "389000422_15": "「多分なのデスが、ニケさんの力は悪いものじゃないデス。\\n とても強くて、それでも『足りない』何かの力デス」", "389000422_16": "「わたしも上手く言えないんですけど、\\n このギアを纏っていると、そう感じるんです」", "389000422_17": "「あの、ゲオルクという人の持つ聖遺物の力とは、\\n 相反する何か……なんじゃないかって」", "389000422_18": "「うむ……。\\n 詳らかなところはエルフナインの意見を乞うとしよう」", "389000422_19": "「元よりそのつもりデスが、\\n あんな奴らに絶対にニケさんは渡してなるものか、デスッ!」", "389000422_20": "「ゲオルクの言動からして、\\n 恐らく真っ直ぐにニケのもとへ向かったに違いない、急ぐぞッ!」", "389000422_21": "「大事なものを護るための力を貸してくれて……」", "389000422_22": "「きっと、さっきはアタシに『行け』って\\n 言ってくれていたデスよね、ニケさん……ッ!」", "389000422_23": "「うん。", "389000422_24": " だから――今度はわたしたちが、護る番ッ!」" }