{
"386000631_0": "「よーし!\\n じゃあみんなでお菓子を食べようか!」",
"386000631_1": "「ちょっと!?\\n なんでそうなるのよ!?」",
"386000631_2": "「どんな時でも、\\n お菓子を食べれば元気が出るんだよ!」",
"386000631_3": "「本当は、東郷さんが作ったぼたもちを食べてほしいんだけど。\\n あれは四国一……ううん、宇宙一美味しいんだから!」",
"386000631_4": "「もう友奈ちゃん、\\n 宇宙一なんて誉め過ぎよ」",
"386000631_5": "(そんな事言って、\\n しっかり嬉しそうね)",
"386000631_6": "「じゃあ、輪になって座ってください!\\n チョコを配りまーす!」",
"386000631_7": "「おいおい、\\n チョコなんてどこから持って来たんだ?」",
"386000631_8": "「この前、街のおばあさんからもらったんだ!\\n 荷物を持ってくれたお礼にって!」",
"386000631_9": "「こうしてると勇者部の部室を思い出すなー。\\n 風先輩がいて、樹ちゃんがいて……」",
"386000631_10": "「……あ、風先輩っていうのは、私たち勇者部の部長で、\\n 優しくて頼りになるだけじゃなく、女子力もすごくて――」",
"386000631_11": "数十分後――",
"386000631_12": "「――っていう、\\n 『勇者部五箇条』も部室に飾ってあるんだよ!」",
"386000631_13": "「なるほどな。それが前に言ってたやつか。\\n 確かに、気合いの入る言葉だな」",
"386000631_14": "「でしょー!」",
"386000631_15": "「聞く限り、他の勇者部のメンバーも皆、芯があるようだ。\\n 機会があれば、一度そちらの世界に行ってみたいものだな」",
"386000631_16": "「是非是非。\\n その時には、特製のぼたもちを御馳走しますので」",
"386000631_17": "「うーん、まだまだ話し足りない!\\n 私、追加のお菓子を買ってくるね!」",
"386000631_18": "「……行っちゃった。\\n 止める暇もなかったわね」",
"386000631_19": "「もう、友奈ちゃんったら……」",
"386000631_20": "「あの猪突猛進っぷり……。\\n やっぱり誰かさんとそっくりだな」",
"386000631_21": "「フフ、そうかもしれないな」",
"386000631_22": "「え?\\n そっくりって誰と……?」",
"386000631_23": "(元の世界の話を、\\n あんなに楽しそうに……)",
"386000631_24": "(やはり、友奈たちには帰る場所がある。\\n 帰りを待っている人々がいる)",
"386000631_25": "(この世界に、\\n 居続けるべきではないのじゃ……)",
"386000631_26": "(そうじゃ、響たちも言うてくれたではないかッ! お上さまは、\\n 放埒に罰を与えるような神ではないと。……全くその通りじゃ)",
"386000631_27": "(……お上さま、何卒お頼み申し上げます。\\n どうか、あの者たちを元の世界に帰してやってくださいまし)",
"386000631_28": "「爆発ッ!?」",
"386000631_29": "「――っ!?",
"386000631_30": " あっちの方角はっ!?」",
"386000631_31": "「あいつが走って行った方角だッ!\\n 急いで追いかけるぞッ!」",
"386000631_32": "「――――ッ!!」",
"386000631_33": "「もう!\\n こんな時に邪魔くさいわね!」",
"386000631_34": "「時間が惜しいッ!\\n 急いで蹴散らすぞッ!」"
}