{ "381000331_0": "「……見つからないわね」", "381000331_1": "「この辺りにはもういないのかもしれないデス」", "381000331_2": "「でも、あのおじいさんの話だと、\\n 女の子もこの辺りには詳しくないみたいだし」", "381000331_3": "「そういえば、あのおじいさんはどこに行ったんデス?」", "381000331_4": "「あそこのベンチに座っているわ。\\n 捜し疲れているみたいだし、少し休ませてあげましょう」", "381000331_5": "「そうデスね。\\n その間にアタシたちが、女の子を見つけてきてあげるデスよ」", "381000331_6": "「ねえ、そこの人たち」", "381000331_7": "「えッ……わたしたちのこと?」", "381000331_8": "「うん、さっきからこの辺をうろうろしてるみたいだけど、\\n 何をしてるの?」", "381000331_9": "「女の子を探しているんです」", "381000331_10": "「へー、そいつは大変だね」", "381000331_11": "「もしかして手伝ってくれるんデスか?」", "381000331_12": "「いや、興味ないし」", "381000331_13": "「……わたしたちに何か用?」", "381000331_14": "「まあまあ……そんな怖い顔しないで、もっと気楽に話そうよ。\\n ボクの名前は北斗星司。君たちは?」", "381000331_15": "「これって、もしかして……」", "381000331_16": "「調も思ったデスか? あたしもそんな気がするデス」", "381000331_17": "「ナンパ(デス)?」", "381000331_18": "「アハハハ、そっかそうだよね。\\n そんな風に思われちゃうか……」", "381000331_19": "「でも、安心して。ナンパじゃないよ。\\n ちょっと聞きたいことがあるだけだからさ」", "381000331_20": "「あッ――おじいさんがいなくなってる」", "381000331_21": "「本当デスッ! またひとりで捜しに行ったんデスかね?」", "381000331_22": "「ねえ、なんの話?」", "381000331_23": "「悪いけれど、急いでいるの。\\n それじゃ――」", "381000331_24": "「つれないな、並行世界からの来訪者さん」", "381000331_25": "「――ッ!」", "381000331_26": "「あれ? どうしたの?」", "381000331_27": "「……どうしてそのことを?」", "381000331_28": "「おいおい、カマかけただけなのに、\\n こんな簡単に引っかかるなよ」", "381000331_29": "「単なる引っかけで出てくる言葉じゃないわ。\\n あなた、科学特捜隊の人?」", "381000331_30": "「いいや。残念ながら違うね」", "381000331_31": "「どういう意味……? でも、だとしたら、\\n なんでわたしたちのことを知っているのかしら」", "381000331_32": "「さあ? どうしてだろうね」", "381000331_33": "「怪しすぎデスね……」", "381000331_34": "「…………」", "381000331_35": "「まあいいや。\\n それよりウルトラマンのこと、聞かせてよ」", "381000331_36": "「あなたは科学特捜隊の人じゃないんでしょ?\\n それなら話すことはできないわ」", "381000331_37": "「ふーん、案外口が堅いんだな」", "381000331_38": "「……これ以上付き合ってはいられないわね」", "381000331_39": "「あッ……あそこにおじいさんがいる」", "381000331_40": "「…………」", "381000331_41": "「あ……」", "381000331_42": "「行っちゃった……。\\n もしかして気づいてなかったのかな?」", "381000331_43": "「でも、アタシと視線が合ったような?」", "381000331_44": "「とにかく追いかけましょう」", "381000331_45": "「あの異星人ッ!?\\n どうして急に……」", "381000331_46": "「あれって、イフロ星人と一緒にいた……?」", "381000331_47": "「化け物よッ! きゃああぁぁ――ッ!!」", "381000331_48": "「うわぁッ! 逃げろーッ!!」", "381000331_49": "「まずいわ。またパニックになってしまう」", "381000331_50": "「イフロ星人がいないなら、\\n わたしたちだけでもなんとかなるかもしれないわッ!」", "381000331_51": "「助けてくれええぇぇ――ッ!」", "381000331_52": "「いやああぁぁッ! こっち来ないでええぇぇ――ッ!!」", "381000331_53": "「くッ――やめなさいッ!」", "381000331_54": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」", "381000331_55": "「ダメよ。イフロ星人と違って、まったく聞く耳を持たない」", "381000331_56": "「というより、反応すらないデスけど」", "381000331_57": "「うん、ロボットみたい……」", "381000331_58": "「いずれにしろ放っておくわけにはいかないわね……ッ!」", "381000331_59": "「うん」", "381000331_60": "「やるデスよッ!」" }