{ "377000632_0": "『トゥルルルルル……!』", "377000632_1": "「緒川さん、こちらに出現したカルマノイズは掃討しました。\\n 被害はッ!?」", "377000632_2": "「軽微な部類かと。\\n 数名が軽症を負っただけです」", "377000632_3": "「避難誘導は順調よ。とはいえ、カルマノイズの歌を\\n 聴いてしまう人はどうしても出るわね……」", "377000632_4": "「やっぱり本体のカルマノイズを倒さない限り、\\n 小型をいくらやっても終わらないからな」", "377000632_5": "「にしても、なんで今回デカい方は出て来てねーんだ?」", "377000632_6": "「法則性が不明なままだな……」", "377000632_7": "「ほらねッ! だから、SSFだって\\n 無事に開催できるかもしれないわッ!」", "377000632_8": "「うぉわあッ!? なんでいるんだよッ!\\n 危ないからついてくんなッ!!」", "377000632_9": "「それより、いい案を思いついたわ。あなたたち、\\n カルマノイズが歌に引き寄せられると思ってるんでしょう?」", "377000632_10": "「だったら、あたしが今ここで唄ってあげるッ!\\n それで親玉が現れたら、タコ殴りにすればいいのよッ!」", "377000632_11": "「そうすれば、SSFも宣伝イベントも安全になるんでしょう?\\n いいアイデアだわ」", "377000632_12": "「待て、それじゃお前に危険が及ぶかも――」", "377000632_13": "「フン、カルマノイズが怖くて、\\n アイドルなんかやってられないわッ!」", "377000632_14": "「それじゃあ、いくわよッ!!\\n クリスティーナ復活の狼煙兼バケモノをも魅了する歌ッ!」", "377000632_15": "(…………あれ?)", "377000632_16": "(なんだろう、声が伸びない。\\n 気持ちよく唄えない……)", "377000632_17": "「……なんだ? 調子悪いのか?\\n なんかいつもと違わないか?」", "377000632_18": "「ッ!!!」", "377000632_19": "(こんなあたしを、アイツに見せるなんて……ッ!!)", "377000632_20": "(あたしの歌って、どんなだった? どんな風に唄ってた?)", "377000632_21": "(こう? それともこうッ!?)", "377000632_22": "(違うッ! 違う違う違う違う違うッ!!!)", "377000632_23": "「お、おい。どうした? 急に唄うのやめて」", "377000632_24": "「や、やだッ! まだちょっと本調子じゃないみたい。\\n 踏ん張りがきかなかったわ」", "377000632_25": "「結局、カルマノイズは現れなかったな。\\n この作戦は中止にしよう」", "377000632_26": "「今日は戻るとしましょうか」", "377000632_27": "「声が……、出なかった。\\n いつもみたいに、唄えなくなってた。この、あたしが……」", "377000632_28": "「SSFは、もうすぐなのに。どうするのよ……」" }