{ "375000121_0": "数日前", "375000121_1": "S.O.N.G.発令所――", "375000121_2": "「ギャラルホルンよりアラート発生ッ!」", "375000121_3": "「未知の並行世界と接続されたようですッ!」", "375000121_4": "「装者たちを集めるんだッ!\\n ――すぐに対処するぞッ!」", "375000121_5": "「……そういうわけで、まずは例によって調査から進めたい。\\n 探索のメンバーだが――」", "375000121_6": "「――はいッ!\\n アタシが行きたいデスッ!」", "375000121_7": "「え、切ちゃん?」", "375000121_8": "「切歌くん……、立候補したいということか?」", "375000121_9": "「そうデスッ! 騒がしいから調査の任務が苦手って言われたデス。\\n でも、アタシの成長を見てほしいデスよッ!」", "375000121_10": "「切ちゃんが行くなら、わたしも」", "375000121_11": "「でも、そんなこと誰に言われたの?」", "375000121_12": "「……あたしだな。\\n 随分前のことだが」", "375000121_13": "「ほう。それはクリスくんが、キッチリ見届ける責任がありそうだな。\\n では切歌くんと調くん、それにクリスくんで向かってくれ」", "375000121_14": "「ま、そうなるよな」", "375000121_15": "「クリス先輩に、アタシが調査任務のマイスターだと、\\n 認めさせてみせるデスッ!」", "375000121_16": "「うん、一緒に頑張ろう」", "375000121_17": "「2人とも、気を抜かないようにね」", "375000121_18": "「分かってるデスよ」", "375000121_19": "「お仕事だから、ちゃんとする」", "375000121_20": "「月読も暁も、何かあったら雪音に従うんだぞ。\\n ……雪音は2人のことをしっかり監督してくれ」", "375000121_21": "「ああ、分かってる。\\n それが先輩の役割だもんな」", "375000121_22": "「そういうことだ」", "375000121_23": "「では早速、並行世界に向かってくれ。\\n くれぐれも無理はしないようにな」", "375000121_24": "「了解(デス)ッ!」", "375000121_25": "「到着したデスッ!」", "375000121_26": "「うん。だけどここから見る限り、異変は見当たらないね」", "375000121_27": "「だな。ひとまずは、様子を見るしかないか」", "375000121_28": "「アラートの原因、やっぱりカルマノイズなのかな?」", "375000121_29": "「今までは、ほとんどカルマノイズが原因だったデスけど……」", "375000121_30": "「いや、下手に決めつけない方がいいだろうな。\\n 全く違う原因の可能性もある」", "375000121_31": "「全然違う原因……。\\n なんデスかね?」", "375000121_32": "「あ……ッ!」", "375000121_33": "「あのビルに付いている大型ディスプレイを\\n 見てください」", "375000121_34": "「ん? ニュースか……?」", "375000121_35": "『先日より続いている、謎の昏睡事件についての続報です。\\n 本日新たに3名の昏睡者が発見されました』", "375000121_36": "『他の被害者同様、フルダイブ型VRゲーム『モーフワールド』に\\n ログインし、その後意識が戻らない状態のようです』", "375000121_37": "『本日は、VRゲームに詳しい専門家をスタジオに招いて\\n おります。佐藤さん、まずVRゲームについてですが――』", "375000121_38": "「VRゲームをやっている最中に昏睡……?」", "375000121_39": "「こっちの世界は、ゲーム機がかなり発達してるみたいデスね。\\n 『モーフワールド』、気になるデス」", "375000121_40": "「はッ!\\n ひょっとして……」", "375000121_41": "「いや、いくらなんでもゲームは関係ないだろ」", "375000121_42": "「わたしもそう思います……。\\n ゲームが原因でギャラルホルンが反応なんて――」", "375000121_43": "「カルマノイズが作ったゲームかもしれないデスッ!」", "375000121_44": "「無茶苦茶すぎるだろ……」", "375000121_45": "「ちょっと……、ううん、かなり無理があるよ」", "375000121_46": "「で、でもッ!\\n 一応ゲームショップを覗いてみたり――」", "375000121_47": "「――ッ!? おい、後ろッ!」", "375000121_48": "「――なんデス? え――ッ!?」", "375000121_49": "「アウチッ!」", "375000121_50": "「切ちゃんッ!?」", "375000121_51": "「アタシは大丈夫デス。\\n それより、ぶつかった人に怪我はないデスか?」", "375000121_52": "「あいたた……。\\n すみません、急いでいたもので――」", "375000121_53": "「ん? 『デス』……?\\n あなたは切歌さんッ!?」", "375000121_54": "「まさかのドクターッ!?」", "375000121_55": "「こっちの世界の……?」", "375000121_56": "「お2人とも、無事にログアウトを……いや、\\n 髪型も装いも違いますし、こっちの世界のということは……」", "375000121_57": "「あなた方は、並行世界から訪れた調さんと切歌さんですね」", "375000121_58": "「ドクターのこの雰囲気……、\\n もしかしてここは、アタシがロボットの世界デスかッ!」", "375000121_59": "「もしや、以前誘拐されてきた切歌さんッ!?」", "375000121_60": "「街中で物騒な話をするんじゃねぇッ!", "375000121_61": " ……つまり、この並行世界に来たことがあるんだな?」", "375000121_62": "「はいデスッ!\\n 科学者の調と、アンドロイドのアタシがいた並行世界デスよ」", "375000121_63": "「ニコラ・テスラと一緒に戦った、\\n あの2人だね」", "375000121_64": "「そういうことか。それなら話が早いな。\\n おい、こっちの世界で何か問題が起きてないか?」", "375000121_65": "「そうでしたッ! 大問題が発生中なんですッ!\\n 是非、みなさんの力を貸して――」", "375000121_66": "「追手が――ッ!\\n くッ、すみませんが僕の後についてきてくださいッ!」", "375000121_67": "「詳しくは逃げきってから話しますッ!」", "375000121_68": "「逃げきってから……?」", "375000121_69": "「あそこだッ! いたぞッ!」", "375000121_70": "「警察からかよッ!」", "375000121_71": "「あれは――、仲間と合流したかッ!\\n まとめて捕まえるんだッ!」", "375000121_72": "「ひぇッ! まさかの犯人扱いデスッ!」", "375000121_73": "「これは……、やはり巻き込んでしまったようですね……。\\n ――急いでこちらにッ!」" }