{
"372000521_0": "(――環さん。\\n あれからわたしも考えました)",
"372000521_1": "(あなたはきっと、これからもシンフォギアを、\\n 風鳴翼という存在を拒み続ける)",
"372000521_2": "(ですが……それでも、手を伸ばすことを、\\n 諦める訳にはいかないのです)",
"372000521_3": "(それが仲間に教わったこと……何よりこうして道を\\n 違えることを、仁さんが望んでいるとは思えない……ッ!)",
"372000521_4": "「……やはりトレーラーは基本的に、\\n 山中に隠すほかないようだな」",
"372000521_5": "「……む? あれは……」",
"372000521_6": "「あーあー、姐さん。\\n また無茶な戦い方して……」",
"372000521_7": "「気負い過ぎなんですよねぇ。\\n もう少し柔軟になれば楽なのに……」",
"372000521_8": "「――誰だッ!?」",
"372000521_9": "「……お久しぶりです。先日は\\n ろくな挨拶もできないままでしたね」",
"372000521_10": "「翼さん……\\n どうしてまた、ここに……」",
"372000521_11": "「もう分かっただろう?\\n 姐さんの意志は固い。下手に説得するとモメるだけだぜ」",
"372000521_12": "「いいえ、諦めません」",
"372000521_13": "「……」",
"372000521_14": "「わたしのことは恨んでくれて構いません。\\n 過ちを犯した者への、当然の罰です」",
"372000521_15": "「ですがその力は、未だ十全な状態で\\n 発揮できているとは言えません」",
"372000521_16": "「これは一個人の私情ではなく、\\n 護国の防人としての見解――」",
"372000521_17": "「黒いレーベンガーという未知の脅威に対して、\\n 我々は手を取り合うべきなのではないでしょうか」",
"372000521_18": "「……固いッ!\\n 姐さんが意固地になる理由、オレ分かった気がする……」",
"372000521_19": "「本当に翼さんは、立派になりましたね……」",
"372000521_20": "「では……共に戦うこと、\\n 考えていただけますか?」",
"372000521_21": "「あ、無理。\\n 姐さんに言われてるからってだけじゃなくてよ」",
"372000521_22": "「そうですね。翼さんのお話を聞けば聞くほど、\\n ボク自身の意思としてお断りさせていただきますね」",
"372000521_23": "「なッ!\\n 解せません。志は同じはずなのに……」",
"372000521_24": "「翼さん、確かに志は同じかも知れないけどね。\\n ボクたちには埋めようのない差というものがあるんだよ」",
"372000521_25": "「おい、それ以上はやめとけ」",
"372000521_26": "「でも、このままだと翼さんが\\n あまりにも不憫で――」",
"372000521_27": "「そうだッ! 誰がしゃべっていいと言ったッ!」",
"372000521_28": "「環さん……ッ!」",
"372000521_29": "「あんたも本当にしつこいね。\\n ハッキリと断ったはずだ。帰ってくれ」",
"372000521_30": "「……これだけは分かってください。\\n 許してもらおうなどとは思っていないと」",
"372000521_31": "「……ならなぜつきまとう」",
"372000521_32": "「それは……わたしが防人だからです」",
"372000521_33": "「終わりの時が来るまで、\\n その使命を全うするのが、わたしの役目――」",
"372000521_34": "「――郊外に黒いレーベンガーが出現したッ!\\n 至急現地に向かってくれッ!」",
"372000521_35": "「……ッ!」",
"372000521_36": "「トレーラー付近で、当たり前のように通信しやがって……\\n もうこっちのジャミングを対策しやがったってことか」",
"372000521_37": "「……環さん、また必ず来ますッ!」",
"372000521_38": "「ハル、ムツ、ぼさっとしてんじゃないよッ!\\n グラウスヴァインスーツ、出撃準備ッ!」",
"372000521_39": "「あいよッ!!」"
}