{ "371000411_0": "Kiss or Die", "371000411_1": "「いいから大人しく……\\n 魔力、よこしなさいよ……!」", "371000411_2": "「こんの……\\n いい加減、くっつくのはやめろッ!」", "371000411_3": "「……! 全然力が入らない……", "371000411_4": " 思ってたよりマズいわね……早く魔力を補給しないと……」", "371000411_5": "「さっきから何言ってんだ?\\n 魔力魔力って……」", "371000411_6": "「あなたが気にすることじゃないわ。\\n さあ、大人しくして?」", "371000411_7": "「んなこと突然言われて、\\n はいそうですかって言う訳ないだろ」", "371000411_8": "「ぐす……ぅ……」", "371000411_9": "「おいおいおいッ! なんで泣くんだよッ!\\n そういうのが一番困る……ッ!」", "371000411_10": "「だ、だって……イジワル言うし……」", "371000411_11": "「イ、イジワルってお前……」", "371000411_12": "「ごめんなさい。\\n 怪物に襲われて……怖くて、気が動転してて……」", "371000411_13": "「……助けて……?」", "371000411_14": "「まあ、そういうことなら……」", "371000411_15": "「――隙あり♪」", "371000411_16": "「あいた!」", "371000411_17": "「なんて言うと思ったか。見え見えなんだよ」", "371000411_18": "「ちぇ……いたいけな女の子を足払いするなんてサイテー」", "371000411_19": "「どこがいたいけだ。\\n 最初は混乱してる島民の子供って思ったけどよ」", "371000411_20": "「なんかワケありって口ぶりだな。\\n 知ってること、洗いざらい話してもらうぞ」", "371000411_21": "「ふーん……ま、なんでもいいけど、\\n 尋問の前にすることあるんじゃない?」", "371000411_22": "「何……?」", "371000411_23": "「あーもう、しつこい奴らだなッ!」", "371000411_24": "「やっぱり効かないか……ッ!\\n おい、下がってろッ! ここは危ないッ!」", "371000411_25": "「へぇ……結構やるわね」", "371000411_26": "(攻撃は効いてないけど、戦闘力はなかなかのもの……\\n それに扱いやすそうなお人好しっぽいし……)", "371000411_27": "(ここはとりあえず、味方にしておいて損はない、か……)", "371000411_28": "「……奥の手だから使いたくなかったんだけど、仕方ないわね!」", "371000411_29": "「うお……ッ!?\\n お前、なんだその恰好ッ!」", "371000411_30": "「――クロエ」", "371000411_31": "「は?」", "371000411_32": "「わたしの名前。それ以上の詮索はナシ。\\n だいたい、今は目の前の敵をなんとかするのが先でしょ?」", "371000411_33": "「そうかよ……ッ!」", "371000411_34": "「残念ながら魔力が底をつきかけてるから、\\n 囮程度にしかならないけど……」", "371000411_35": "「とにかく、戦えるんだな?\\n なら一緒に――」", "371000411_36": "「いいけど、条件があるわ」", "371000411_37": "「はぁッ!?\\n この期に及んでッ!?」", "371000411_38": "「終わったらわたしに魔力を供給すること。いい?」", "371000411_39": "「……それがないと、\\n その力も十分に発揮できないのか?」", "371000411_40": "「そんなところ。察しが良くて助かるわ」", "371000411_41": "(魔力ってのがそもそもよく分からないが……。", "371000411_42": " まあ、あたしにあるって言うならくれてやってもいいか……)", "371000411_43": "「……分かった分かった。\\n 魔力でもなんでもくれてやるから、とにかく手伝え」", "371000411_44": "「フフ……約束、忘れないでね」" }