{
"370000111_0": "APPLEの一番長い日",
"370000111_1": "「アタシはもう騙されないデスよ……ッ!」",
"370000111_2": "「ダメだよ、切ちゃんッ!\\n 待ってッ!」",
"370000111_3": "「先生ッ!」",
"370000111_4": "「はい?」",
"370000111_5": "「まんまと隠し通せたと安心しているんでしょうが\\n 先生の正体は、潜入捜査官デスね……ッ!?」",
"370000111_6": "「――暁さんッ!?\\n 突然、何を言っているの?」",
"370000111_7": "「えっと……ドラマの話かな?\\n ごめんね。先生、ちょっと流行りに疎くって……」",
"370000111_8": "「ムッ!?」",
"370000111_9": "「先生、驚かしてごめんなさい……ッ!\\n ほら、行こう切ちゃん」",
"370000111_10": "「で、でも……」",
"370000111_11": "「――いいから、早くッ!」",
"370000111_12": "「さようなら、2人とも。\\n 廊下は走っちゃダメよー」",
"370000111_13": "「と、いうことがあったデス」",
"370000111_14": "「その先生は、どこか怪しい所があったんですか?」",
"370000111_15": "「調にも同じことを聞かれて\\n じっくり思い返してみたんデスけど……」",
"370000111_16": "「全くなかったデース」",
"370000111_17": "「切ちゃん、根拠もなく人を疑ったらダメだよ」",
"370000111_18": "「ううう……」",
"370000111_19": "「セレナ、待たせたわね。\\n ブリーフィングが長引いてしまったわ」",
"370000111_20": "「ううん。\\n おふたりとお話ししてたから大丈夫」",
"370000111_21": "「切歌がしかめっ面しているけど、\\n 一体どんな話をしていたの?」",
"370000111_22": "「切ちゃんってば、新しい先生が赴任してくるたびに、\\n いつも潜入捜査官じゃないかって疑うんだよ」",
"370000111_23": "「――だってAPPLEのセレナ先生には\\n 全然気づけなかったデスからッ!」",
"370000111_24": "「もう騙されたくないんデスよッ!」",
"370000111_25": "「切歌ったらまったく……」",
"370000111_26": "(それにしてもAPPLEか……。\\n あの子たちは元気にしているのかしら?)",
"370000111_27": "「諜報班の方はどう?」",
"370000111_28": "「いつも通りの平常運転。\\n 緊急の報告は上がってきていないよ」",
"370000111_29": "「しばらくは作戦もなしね。\\n 部隊のみんなから、危機感が薄れなければいいけど……」",
"370000111_30": "「特に、ナツミとか、ナツミとか……あとナツミとか?」",
"370000111_31": "「姉さんはナツミさんに厳しすぎだよ。\\n 彼女も彼女なりに頑張っているのに……」",
"370000111_32": "「頑張っているのは分かってるわよ。",
"370000111_33": " ただ……」",
"370000111_34": "「技術班の班長なんだから、もう少ししっかりして貰わないと\\n 部下に示しがつかないでしょ?」",
"370000111_35": "「……心配なんだ?」",
"370000111_36": "「そんなんじゃないってッ!\\n ただ、隊長なんだから、部隊を気にかけるのは当然でしょッ!」",
"370000111_37": "「もう少し素直になれば、部隊のみんなも喜ぶのに……」",
"370000111_38": "「はいはい、その話は終わりッ!\\n じゃあ次の議題……」",
"370000111_39": "「鹵獲したロボット機体が増えすぎて、\\n 倉庫が圧迫されてるという問題だけど……」",
"370000111_40": "「その件だったら、再プログラムして艦内の警備に使えないかって\\n アイデアが技術班から上がっているよ」",
"370000111_41": "「うん、それは聞いてる。テストの許可も出したわ。\\n だけどそれだけでは、この問題は解決しないわよね」",
"370000111_42": "「敵対する組織を壊滅させるたびに根こそぎ押収するし……。\\n 増える一方で、減ることはないもんね」",
"370000111_43": "「ええ。だからといって、きっちり回収しとかないと\\n また悪事に使われちゃうかもしれないし……」",
"370000111_44": "「近いうちに、どこか信用できる機関に引き取って貰えないか\\n 相談してみるわ」",
"370000111_45": "「あッ! だったらあの並行世界を訪ねてみない?」",
"370000111_46": "「わたしも、久しぶりに可愛い生徒たちに会いたいし……」",
"370000111_47": "「確かにS.O.N.G.の面々なら信用できるわね。\\n 相談に乗って貰うのもアリかな?」",
"370000111_48": "「いいわ。落ち着いたら一度訪ねてみましょう」",
"370000111_49": "「うん。スケジュールを調整しておくね」",
"370000111_50": "「了解。\\n じゃあ次の議題……」",
"370000111_51": "『本部よりポイントアルファ。浮城より錨は降りず。\\n 繰り返す。浮城より錨は降りず。送れ』",
"370000111_52": "「……こちら、ポイントアルファ。\\n 了。通信終わり」",
"370000111_53": "(錨は降りず。つまり作戦は停止しないという事か……。\\n 隊長、早いこと疑いを晴らしてくださいよ)",
"370000111_54": "「さて、01、02ドアを破れ。03、04解放後突入。\\n 目的はあくまでも捕縛だ。うかつに刺激するなよ」",
"370000111_55": "「ギッ!」",
"370000111_56": "「作戦開始ッ!」",
"370000111_57": "「一体、何事ですかッ!?」",
"370000111_58": "「動かないでッ!\\n おふたりには重大な嫌疑がかかっています」",
"370000111_59": "「抵抗なさらず、武装を解除してご同行を願いたい」",
"370000111_60": "「鹵獲機体まで持ち出して……、\\n ふざけているのッ!?」",
"370000111_61": "「ギギッ!」",
"370000111_62": "「なッ!」",
"370000111_63": "「姉さんッ!」",
"370000111_64": "「お、おい、やめろッ! 誰が攻撃しろと言ったッ!\\n 停止ッ! 攻撃停止だッ!」",
"370000111_65": "「ギッ!」",
"370000111_66": "「聞こえないのかッ!?\\n このポンコツ共ッ! 攻撃をやめろッ!」",
"370000111_67": "「ギギッ!」",
"370000111_68": "「ぐふッ……」",
"370000111_69": "「鹵獲機の暴走ッ!?\\n いえ、その前に、わたしたちに嫌疑って……」",
"370000111_70": "「一体どうなっているの?」",
"370000111_71": "「セレナ、考えるのはあとッ!」",
"370000111_72": "「うん……。",
"370000111_73": " まずは、暴走した鹵獲機たちを止めるよッ!」",
"370000111_74": "「Granzizel bilfen gungnir zizzl――」"
}