{
"368000611_0": "負けた理由って、なに?",
"368000611_1": "「……ここは?」",
"368000611_2": "「すごくボロボロの部屋デス」",
"368000611_3": "「……俺と2代目がねぐらとして使っていた部屋だ」",
"368000611_4": "「ごめんなさいデス……」",
"368000611_5": "「構わない。ボロいことは事実だ」",
"368000611_6": "「そうか? 壁も屋根もあるし、いい部屋じゃねぇか。\\n 川がねぇのが難点っちゃ難点だが……」",
"368000611_7": "「ここでよければ使え」",
"368000611_8": "「いいんですか? 助かりますッ!\\n いつまでもホテル住まいなんて無理だし……」",
"368000611_9": "「では、お言葉に甘えます」",
"368000611_10": "「それじゃまず部屋の片付けからかな。",
"368000611_11": " えーと――」",
"368000611_12": "「……ん?」",
"368000611_13": "「切歌ちゃん、一緒に頑張ろうッ!」",
"368000611_14": "「了解デスッ!」",
"368000611_15": "「待ってくれ、どうして一度わたしの顔を――」",
"368000611_16": "「調ちゃんは台所の掃除をお願い」",
"368000611_17": "「はい、まかせてください。\\n カセット式の調理器で料理もできるようにします」",
"368000611_18": "「立花……?」",
"368000611_19": "「翼さんは、買い出しをお願いしますッ!」",
"368000611_20": "「ああ……?」",
"368000611_21": "「ん? ああ、蓬の携帯か……」",
"368000611_22": "「……はい。――あ?\\n あんた誰だよ?」",
"368000611_23": "「この電話の持ち主の名前は、ダンシコウコウセイ\\n なんてやつじゃねぇよ! 蓬だっての!」",
"368000611_24": "「あ、俺? 俺は蓬のダチだ!\\n 今、蓬は手が離せねーから、代わりに出てるんだよ!」",
"368000611_25": "「――は? 約束?\\n 約束は大事だな……」",
"368000611_26": "「分かった。\\n 蓬が約束破ンのは俺のせいだから、俺が責任取る!」",
"368000611_27": "「人手が要る? そんなの、俺が5人分でも6人分でも\\n やりゃいいだろ! それじゃあな!」",
"368000611_28": "「すまねぇ、ちょっと行ってくる」",
"368000611_29": "「なんの話だったデス?」",
"368000611_30": "「蓬のバイト先からだ。臨時で働く約束が\\n あったらしくてな。代わりに行ってくる」",
"368000611_31": "「人手が要るとか聞こえたような……」",
"368000611_32": "「他の臨時バイトも蓬が声をかける予定だったらしい。\\n 棚卸がいろいろあるとかなんとか」",
"368000611_33": "「そういうことなら、わたしたちも手伝いますッ!」",
"368000611_34": "「いや、これは俺の責任だ。\\n だから俺1人で行く!」",
"368000611_35": "「いえ、ぜひ手伝わせてくださいッ!\\n バイトということは、お賃金が発生する……」",
"368000611_36": "「実は、最初にホテルに泊まっちゃったりして、\\n 懐がだいぶ寂しくなっているのデス……」",
"368000611_37": "「このままじゃ、カニを食べるしかなくなっちゃう……ッ!」",
"368000611_38": "「だからどうか、お願いしますッ!」",
"368000611_39": "「そ、そうか……。\\n そういうことなら、一緒に行ってみるか……?」",
"368000611_40": "「ガウマ隊、バイトゴーデースッ!」",
"368000611_41": "「なかなかにこき使われたな……」",
"368000611_42": "「バイトリーダー、容赦ない人物でした……」",
"368000611_43": "「確かにちょっと疲れたけど……、\\n でも、おかげでバイト代も貰えましたしッ!」",
"368000611_44": "「ああ、臨時バイトということもあって、\\n 日払いだったのはありがたかった」",
"368000611_45": "「これで買い物もばっちりデスッ!」",
"368000611_46": "「それはそうと、本来の目的を忘れてねぇだろうな?\\n これから訓練だぞ?」",
"368000611_47": "「そうだったデスッ!?」",
"368000611_48": "「原因かどうかはハッキリしないが、怪獣を倒さねば\\n 何も解決しないからな」",
"368000611_49": "「ええ、分かっています。\\n 我々も、自分の世界を長らく留守にはできません」",
"368000611_50": "「向こうでも怪獣が出ているらしいし……。\\n みんなが心配……」",
"368000611_51": "「ガウマさん。\\n ダイナゼノンとは、聖遺物ではないのですか?」",
"368000611_52": "「あ? セイブツ?\\n 生きてるかどうかは微妙だな」",
"368000611_53": "「生物ではなく、聖遺物です。現代技術では製造のできない、\\n 超常の性能を秘めた道具のことです」",
"368000611_54": "「説明だけを聞くと、当てはまらなくは無いが……」",
"368000611_55": "「違うんじゃねぇの?\\n 俺はある人から預かってるだけだ」",
"368000611_56": "「翼さん、急にどうかしたんですか?\\n 何か気になっていることでも?」",
"368000611_57": "「もし、わたしたちの世界にもダイナゼノンが眠っているのだと\\n すれば、大型怪獣の対処も容易になるのではと思ってな」",
"368000611_58": "「そんな都合よく手に入れられてたまるかよ!\\n 夢みてぇな話してねぇで、とっとと訓練に行くぞ!」",
"368000611_59": "「もう1周だ!\\n まだまだ頑張ってもらうぞ!」",
"368000611_60": "「相変わらずのスパルタデスッ!」",
"368000611_61": "「そろそろ戻ってご飯の準備したい……」",
"368000611_62": "「泣き言言うな! 周回増やすぞ!\\n 暦もちゃんと――」",
"368000611_63": "「――!?」",
"368000611_64": "「ガウマさん、どうしました?\\n ちょっと顔色悪いような……?」",
"368000611_65": "「……いや、なんでもねぇ」",
"368000611_66": "「……すまん……ちょっと用事を思い出した。\\n 俺、先に帰るわ」",
"368000611_67": "「え? ガウマさん……?」",
"368000611_68": "「あとはお前たちが見ててやってくれ。\\n じゃ、またな……」",
"368000611_69": "「どうしたのかな……?」",
"368000611_70": "「用と言っていたが、態度が余りにも不自然だったな……」",
"368000611_71": "「訓練はどうしましょう?\\n わたしたちじゃ、見てても分からないし……」",
"368000611_72": "「無理やり続けても逆効果だろう。\\n 今日は終わりにすればいい」",
"368000611_73": "「確かにその通りですね」",
"368000611_74": "「調ちゃーんッ! 切歌ちゃーんッ!\\n 訓練、今日はもう終わりでいいってッ!」",
"368000611_75": "「了解デースッ!\\n それじゃ、これをラスト1周にするデス」",
"368000611_76": "「どっちが先に回れるか競争しようよ」",
"368000611_77": "「望むところデスッ! レディ……、ゴーッ!」",
"368000611_78": "「俺も少し外すぞ」",
"368000611_79": "「あなたはこの後、何をなさるのですか?」",
"368000611_80": "「……シズムを捜す。\\n 奴に話を聞く必要がある」",
"368000611_81": "「ならば、わたしも同行させてください」",
"368000611_82": "「怪獣優生思想の能力を聞くに、怪獣が近くにいなければ\\n 戦闘にはならないと思いますが、念のため……」",
"368000611_83": "「……勝手にすればいい」",
"368000611_84": "「では参ります。立花、後のことは頼んだ」",
"368000611_85": "「それじゃわたしは、調ちゃんと切歌ちゃんと\\n 晩御飯の準備をして待ってますッ!」"
}