{ "344000541_0": "――数時間後", "344000541_1": "「逃げ切ることができただけでも喜ぶべきですが、\\n 2人のダメージはかなりのものです」", "344000541_2": "「奏さんと未来さんは、しばらく安静にする必要があるでしょう」", "344000541_3": "「そんな……」", "344000541_4": "(わたしがドヴァリンさんを助けようとしたから……。\\n 気をつけろって言われてたのに)", "344000541_5": "(わたしの甘さのせいで2人に無理をさせて、\\n 傷つけてしまったんだ……)", "344000541_6": "(弱いわたしが誰かを救おうとするなんて\\n 傲慢だったのかな……)", "344000541_7": "「すまない、オレもあのときは、何もできなかった……」", "344000541_8": "「そんな、ヴェイグさんは悪くないですよ。\\n あの状況では、仕方ないと思います」", "344000541_9": "「……ドヴァリンさんとは、知り合いだったんですよね?」", "344000541_10": "「……ああ。\\n オレに魔道具作りを教えてくれた師匠なんだ」", "344000541_11": "「ドヴァリンの作る魔道具はドヴェルグ族の中でも\\n 群を抜いて力が強かった」", "344000541_12": "「だけど、その力をいつも誰かのために使っていて……、\\n そんな優しいドヴァリンが、オレは大好きだったんだ」", "344000541_13": "「そうだったんですね……」", "344000541_14": "「それが、呪いの魔剣を作っているなんて……」", "344000541_15": "「もう一度会って、ちゃんと話して止めさせたい。\\n だけど、あの兵器が守りを固めているんだよな……」", "344000541_16": "「呪いの力が込められたスヴァフラーメは、\\n 本当に強力でした」", "344000541_17": "「その上、デュオレリックも使えないとなると、\\n どうしたらいいのか……」", "344000541_18": "「……いや、手はあるかも知れない」", "344000541_19": "「えッ!?」", "344000541_20": "「呪いの力を、逆に利用するんだッ!」" }